著者
渡辺 修 米本 恭三 宮野 佐年 小林 一成 河井 宏之 大熊 るり
出版者
社団法人日本リハビリテーション医学会
雑誌
リハビリテーション医学 : 日本リハビリテーション医学会誌 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.48-52, 1998-01-18
被引用文献数
2

We report a case of cerebral contusion in a patient with ventricle peritoneal shunt(VP shunt) caused by a simple fall. Described is a 50-year-old man admitted with left thalamic hemorrhage with resultant severe consciousness disturbance and right hemiparesis. Although his general condition and consciousness were improved after conservative treatments, two weeks later decrcased mental status and anisocoria were noted. Head computed tomography(CT) scan revealed hydrocephalus which needed VP shunt following emergent ventricular shunting. After that, intensive rehabilitation programs were started. Independent ambulation was not achieved, however he was enable to transfer with minimal assistance. CT scan showed that the size of ventricular system was extremely reduced, which is so called "slit like ventricle." During transfer from his bed to the chair he fell and his head hit the bed. Immediately after that, he fell into deep coma state. CT scan showed left subdural hematoma, contusion and diffuse brain swelling. Overdrainage is a rare complication in VP shunt, however it caused a catastrophic event followed by traumatic brain injury.
著者
猪飼 哲夫 米本 恭三 宮野 佐年 小林 一成 福田 千晶 杉本 淳 安保 雅博
出版者
The Japanese Association of Rehabilitation Medicine
雑誌
リハビリテーション医学 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.29, no.7, pp.569-575, 1992-07-18 (Released:2009-10-28)
参考文献数
32
被引用文献数
10 6

脳卒中片麻痺患者にともなう肩関節亜脱臼の座位におけるX線学的評価を行い,経時的変化について検討した.骨頭下降率とAHI(肩峰骨頭間距離)比の間には有意の相関を認めた.胸椎部の側弯は亜脱臼群の約4割に認められ大多数は麻痺側凸を呈していたが,肩甲骨の下方回旋はわずか1例のみであった.肩関節痛とROM制限は亜脱臼群に多く,6ヵ月以上経過した症例に特に多く観察された.初診時にBrunnstrom stageがIII以上の症例に,また片麻痺の回復によりstageが上がってくる症例に亜脱臼が改善する傾向が認められた.亜脱臼が改善する症例が存在することは,早期の亜脱臼に対して,ポジショニングや筋促通の必要性が示唆された.
著者
松田 雅弘 渡邉 修 来間 弘展 村上 仁之 渡邊 塁 妹尾 淳史 米本 恭三
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.117-122, 2011 (Released:2011-03-31)
参考文献数
22
被引用文献数
8 4

〔目的〕脳卒中により利き手側の片麻痺を呈した場合,利き手交換練習を行うことが多い。そのため健常者における非利き手での箸操作の運動時,イメージ時,模倣時の脳神経活動を明らかにした。〔対象〕神経学的な疾患の既往のない右利き健常成人5名(平均年齢20.7歳)とした。〔方法〕課題は,左手箸操作運動課題,左手箸操作イメージ課題,左手箸操作の映像をみながら箸操作運動課題(模倣課題)の3種類とし,その間の脳内活動を3.0T MRI装置にて撮像した。〔結果〕運動課題では左右感覚運動野・補足運動野・小脳・下頭頂小葉・基底核・右Brodmann area 44が賦活した。イメージ課題では,運動課題と比べ左感覚運動野・小脳の賦活が消失していた。模倣課題では,左右感覚運動野・補足運動野・上下頭頂小葉・Brodmann area 44が賦活した。〔結語〕イメージ課題と模倣課題には,運動課題時に賦活する領域を両課題とも補う傾向にあることから,箸操作訓練の際には運動課題のみではなく両者を取り入れて行う意味があることが示唆された。
著者
道関 京子 門脇 大地 米本 恭三
出版者
Japanese Association of Communication Disorders
雑誌
聴能言語学研究 (ISSN:09128204)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.147-156, 1995-12-25
参考文献数
30
被引用文献数
2

全体構造的言語治療(ヴェルボトナル体系)を概括し,これを日本語臨床に適用するため独自の方法論の展開を考察し,最後にそれを重度失語症患者に施行した結果について述べた.本法は,経験と切り離さないやり方で,つまり人間生活活動の動的な本質を取り込んだ科学的言語治療の方法論である.VTSの考え方の基本に忠実に沿って組み立てた,日本語失語症治療の一つの試みと可能性を述べ,全体構造としてしか機能しない人間に対する,言語治療研究の必要性について訴えた.
著者
松田 雅弘 渡邉 修 来間 弘展 村上 仁之 渡邊 塁 妹尾 淳史 米本 恭三
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.117-122, 2011
被引用文献数
4

〔目的〕脳卒中により利き手側の片麻痺を呈した場合,利き手交換練習を行うことが多い。そのため健常者における非利き手での箸操作の運動時,イメージ時,模倣時の脳神経活動を明らかにした。〔対象〕神経学的な疾患の既往のない右利き健常成人5名(平均年齢20.7歳)とした。〔方法〕課題は,左手箸操作運動課題,左手箸操作イメージ課題,左手箸操作の映像をみながら箸操作運動課題(模倣課題)の3種類とし,その間の脳内活動を3.0T MRI装置にて撮像した。〔結果〕運動課題では左右感覚運動野・補足運動野・小脳・下頭頂小葉・基底核・右Brodmann area 44が賦活した。イメージ課題では,運動課題と比べ左感覚運動野・小脳の賦活が消失していた。模倣課題では,左右感覚運動野・補足運動野・上下頭頂小葉・Brodmann area 44が賦活した。〔結語〕イメージ課題と模倣課題には,運動課題時に賦活する領域を両課題とも補う傾向にあることから,箸操作訓練の際には運動課題のみではなく両者を取り入れて行う意味があることが示唆された。<br>
著者
松田 雅弘 渡邉 修 来間 弘展 津吹 桃子 村上 仁之 池田 由美 妹尾 淳史 米本 恭三
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.387-391, 2006 (Released:2007-01-11)
参考文献数
15
被引用文献数
2

手指対立運動時の感覚運動野(sensorimotor cortex: SMC)の賦活の左右差を,機能的MRIを用いて検討した。対象は右利きの健常成人12名で,1秒間に1回の速度で連続的に手指対立運動を自発的に行う課題を右手,左手各々において行った。右手,左手運動時の対側SMCの平均賦活信号強度は,右手運動より左手運動で有意に高かった(右手,左手,各々11.68,16.82, p<0.05)。さらに,右手運動時は対側SMCのみに賦活が見られたのに対して,左手運動時は両側SMCに賦活がみられた。以上の結果は,巧緻性の低い左手は右手に比べ、多くの神経活動を必要とすることを示唆している。
著者
背山 洋右 SALEN GERALD SHEFER SARAH BJOERKHEM IN 笠間 健嗣 久保田 俊一郎 穂下 剛彦 米本 恭三 BIOERKHEM Ingemar KASAMA Takeshi EGGERTSEN Go BJORKHEM Ing TINT Stephen SHEFER Sarah SALEN Gerald 永田 和哉 清水 孝雄 BUCHMAN Mari
出版者
東京大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1990

脳腱黄色腫(CTX)は先天性脂質代謝異常症で,コレステロールから胆汁酸に至る経路の酵素が障害されて,小脳やアキレス腱における黄色腫,小脳症状,白内障などの症状があらわれる。1937年にvan Bogaert等により報告されたのに始まるが,我が国では1969年の柴崎の報告が第1例である。この疾患の成因と遺伝子における異常を明らかにすることを目的として,1)患者から得られた線維芽細胞について欠損酵素である27位水酵化酵素をコードする遺伝子の解析と,2)疾患モデル動物の作製実験を行った。1.CTXにおける遺伝子異常の解析:スウエーデンのカロリンスカ研究所のBjoerkhemとの共同研究で,日本側からは米本恭三(慈恵医大),穂下剛彦(広島大・医)と久田俊一郎(東大・医)が関わった。CTX患者の線維芽細胞を培養して,RNAを精製し,ステロール27位水酸化酵素の活性に関与するアドレノドキシン結合部位とヘム補酵素結合領域を対象に,RT-PCR法により増幅した。得られた産物をシークエンスして,Russellにより報告されたcDNAの塩基配列と比較した。鹿児島大学で見つかった5人の患者について塩基配列の解析を行ったところ,何れもヘム補酵素結合領域である441番目のアルギニンをコードするコドンに異常があることが明らかになった。1人の患者では更に445番目のアミノ酸をコードする部位に1塩基の欠失が認められた。このうち,アルギニンがグリタミンに置換されている患者では制限酵素Stu Iによる切断部位が新たに生ずるので,RT-PCR産物について切断パターンから診断が可能になった。また,アルギニンがトリプトファンに置換された患者ではHpa IIによる切断部位が無くなるので,遺伝子診断が可能であることがわかった。家系によって遺伝子異常が異なっていたことは,それぞれの家系について予備実験が必要なことを意味しており,今後のスクリーニングの実施に当たってはこの点の配慮が必要となった。2.CTX疾患モデル動物の作製:アメリカのニュージャージ医科歯科大学教授のSalenおよびSheferとの共同研究であり,日本側では笠間健嗣(東京医科歯科大・医)が携わってきた。CTX患者では血清中のコレスタノール(ジヒドロコレステロール)濃度が上昇する高コレスタノール血症が見られる。マウスに高コレスタノール食を投与すると,CTX患者に準じた高コレスタノール血症がもたらされ,それに伴って角膜変性症などが引き起こされることを既に観察してきた。今年度は胆石形成が見られる現象に着目し,生化学的検討を行った。1%コレスタノール食をBalb/cマウスに14か月にわたって投与したところ,20%の頻度で胆石形成が見られ,同時に胆嚢の壁の肥厚,血管拡張などの炎症症状を呈していた。この胆石を分析したところ,コレスタノールが55%,コレスタノールが45%であり,この組成は胆嚢胆汁中の両者の組成と一致していた。一方,コレスタノール食を投与したマウスの胆汁から結晶が析出し,この結晶を走査電顕を用いて観察したところ,その形はコレステロールの結晶とは異なる正方形の滑らかな表面をもっていることがわかった。肝臓のHMG-CoAレダクターゼおよび7α-ヒドロキシラーゼを測定したところ,前者は51%上昇した反面,後者は59%低下していた。また,1%コレスタノール食を13か月間与えた後,1か月間標準食に戻したところ,上昇した血清と肝臓のコレスタノール値は低下し,この両酵素活性は正常値に戻った。これらの結果は,コレスタノールの増加によりHMG-CoAレダクターゼが誘導され,7α-ヒドロキシラーゼが抑制されたことを示唆している。この両酵素はコレステロール生合成と胆汁酸生合成系の律速度酵素であるが,コレスタノールの両酵素に及ぼす影響が相まって胆石形成を引き起こしたものと考えられる。今回のモデル動物の作製はコレスタノールと胆石の関係を明らかにするうえで意義のあるものであり,本疾患の病態解明に役立つものと期待される。日本,スウエーデン,アメリカの3国間で実施した,本研究はそれぞれの研究チームの特色を生かして,CTXという疾患の病態解明を行い遺伝子レベルにおける診断の可能性を示した点で大きく貢献したといえよう。
著者
山内 秀樹 米本 恭三
出版者
社団法人日本リハビリテーション医学会
雑誌
リハビリテーション医学 : 日本リハビリテーション医学会誌 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.46-51, 1997-01-18
被引用文献数
11

若年(4カ月齢), 老齢(20カ月齢)ラットに後肢懸垂を実施し, 骨格筋の萎縮に対する活動制限期間中の等尺性運動の影響を収縮張力の変化から検討した。ヒラメ筋の湿重量, 最大張力は若年, 老齢期ともに後肢懸垂により著しく低下し, その低下率に加齢の影響はみられなかった。後肢懸垂に伴う最大張力の低下に対する等尺性運動の軽減効果は老齢期に比べ, 若年期で高い結果であった。以上の結果は, 活動低下に伴う筋の廃用性萎縮に対する運動効果は加齢に影響されることを示唆する。活動制限期間中の運動効果は老齢期においても認められることから, 筋萎縮進行の防止策としての筋運動の有用性が示された。