著者
石﨑 研二
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
巻号頁・発行日
vol.88, no.4, pp.305-326, 2015-07-01 (Released:2019-10-05)
参考文献数
30

本稿では,中心地理論における市場地域網の重ね合わせ問題を,数理計画法を用いた組合せ最適化問題としてとらえ,レッシュの中心地システムの合理性を検証しつつ,階層構築からみたレッシュとクリスターラーの理論の体系的な位置づけを試みた.その結果,発見的解法に基づく階層構築に頼らざるを得なかったレッシュの中心地システムは,システム全体の合理性に欠けることがわかった.レッシュの階層構築の目的を財の集積効果として再解釈し,単一財の配置原理の目的と合わせて定式化したモデルに基づくと,レッシュの理論が単一財の配置原理を最優先するのに対して,クリスターラーの理論は財の集積効果を最優先するモデルであると解釈できる.本稿で提示したモデルは,多様な階層性を有した中心地システムを導出しうる,階層構築における中心地理論の一般化モデルであると考えられる.
著者
石﨑 研二
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
巻号頁・発行日
vol.87, no.2, pp.87-107, 2014-03-01 (Released:2019-07-12)
参考文献数
55
被引用文献数
1

本稿の目的は,数理計画法による中心地理論のモデル化の過程を通して,クリスターラーとレッシュの理論を再解釈することである.まず,レッシュの市場地域論を総需要最大化問題として定式化し,仮想地域においてモデルを適用した.その結果,成立閾の値に応じて市場地域の大きさが異なる理論的な中心地システムを導出できた.次に,対極的な目的である総利潤最大化問題を定式化し,二つの目的を統合する一般化モデルを提示した.多目的計画法を用いた一般化モデルは,①財の供給条件,②需要の距離弾力性,③重み付けの条件によって目的関数の構成が変わる.一般化モデルの配置原理から解釈すると,単一財の立地におけるレッシュとクリスターラーの理論は,前者が需要の最大カバーと総移動距離最小化を融合した総需要最大化問題,後者が総移動距離最小化と立地数最小化を多目的計画法で定式化した一般化メディアン問題として位置づけることができる.
著者
石﨑 研二
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
巻号頁・発行日
vol.88, no.4, pp.305-326, 2015

<p>本稿では,中心地理論における市場地域網の重ね合わせ問題を,数理計画法を用いた組合せ最適化問題としてとらえ,レッシュの中心地システムの合理性を検証しつつ,階層構築からみたレッシュとクリスターラーの理論の体系的な位置づけを試みた.その結果,発見的解法に基づく階層構築に頼らざるを得なかったレッシュの中心地システムは,システム全体の合理性に欠けることがわかった.レッシュの階層構築の目的を財の集積効果として再解釈し,単一財の配置原理の目的と合わせて定式化したモデルに基づくと,レッシュの理論が単一財の配置原理を最優先するのに対して,クリスターラーの理論は財の集積効果を最優先するモデルであると解釈できる.本稿で提示したモデルは,多様な階層性を有した中心地システムを導出しうる,階層構築における中心地理論の一般化モデルであると考えられる.</p>