著者
石川 俊行 砥川 進士 降旗 建治 柳沢 武三郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.381, pp.57-64, 2001-10-18
被引用文献数
3

本報告では人がアンプによる音質の違いをどのように判断するかについて, 聴覚系の情報のみ与えた一対比較法(Scheffeの方法)と, 聴覚系以外の情報も与えた階層分析法の両面から実験的に検討した.具体的には, トランジスタ式, FET式, 真空管式(OTL及びOPTで使用)の4種類のアンプを採用し, クラシック, ロック, ポップスにおける4種類の品質表現語(明快さ, 滑らかさ, やわらかさ, 深み)を用いて検討した.その結果, 前者ではわずかなアンプ間の音質の違いが現れているものの, 統計的有意差は認められなかった.さらに後者では, 音楽に「滑らかさ」と「やわらかさ」を好む人が真空管アンプ(OTL)を選ぶ傾向が示唆された.