著者
唯根 弘 宮田 一弘 神保 和正 倉形 裕史 白石 英樹
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.572-580, 2023-10-15 (Released:2023-10-15)
参考文献数
33

【目的】脳卒中患者の上肢機能評価の臨床的に意義のある最小変化量(MCID)を統合し質を評価すること.【方法】Fugl-Meyer assessment(FMA),Action Research Arm Test(ARAT),Motor Activity Log(MAL)のMCIDを算出した研究を複数の検索データベースから抽出した.【結果】FMAが4編(4.0~12.4点),ARATが1編(12~17点),MALが1編(1.0~1.1点)であり,脳卒中発症からの時期や介入内容などが異なっていた.【結論】脳卒中上肢機能評価のMCID値を参照する際には各研究の対象者や介入条件を考慮する必要がある.
著者
高浜 功丞 神保 和正 吉村 友宏 安森 太一
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.41, no.5, pp.577-585, 2022-10-15 (Released:2022-10-15)
参考文献数
23

上肢機能評価バッテリーGRASSP(Graded Redefined Assessment of Strength, Sensation and Prehension)は,頸髄損傷者を主たる対象とした上肢・手指機能の評価ツールであり,既に海外では北米やヨーロッパを中心に脊髄損傷者の上肢機能評価に多く用いられている.この使用報告がほぼない本邦で,これを用いて脊髄損傷者の上肢機能の評価を行い,信頼性,妥当性,反応性について検証したところ,いずれも先行文献とほぼ同様の結果が得られた.また対象者のADL状況との関連を検証したところ,自助具箸の使用可否との間に有意な関係が示されることが確認された.