著者
塚本 祐也 神保 幸太郎 白濱 善彦 田中 康嗣 下河辺 久雄 重留 広輔 加藤田 倫宏 吉田 史郎 坂井 健介 田中 憲治 吉田 健治 後藤 琢也
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.469-471, 2014-09-25 (Released:2014-11-11)
参考文献数
7

近年,加圧トレーニングはトップアスリートだけでなく一般人にも広く普及している.加圧トレーニングによってCrush Syndromeおよび長期運動障害を合併した1例を経験したので報告する.症例は15歳男性.野球部の練習中に加圧トレーニングを約15分実施.直後より両上肢の鬱血と強い疼痛および運動障害をきたしたため当院救急外来受診.血液検査にて白血球14830/μl,CPK2095IU/l,ミオグロビン631ng/mlと上昇,入院にて輸液管理を行った.入院1日目にミオグロビンは2013ng/mlに上昇,入院2日目にCPKは32309IU/lと急激な上昇を認めCrush Syndromeと診断した.輸液負荷を継続することで入院4日目からCPKは改善傾向になり,8日目にはCPKおよびミオグロビンは正常範囲まで改善した.両肘関節運動障害は徐々に改善して,受傷4か月で完全伸展可能となった.
著者
吉松 弘喜 海江田 康光 吉田 健治 神保 幸太郎 田中 憲治 坂井 健介 後藤 琢也 瀧 健治 山下 寿 佐藤 公昭 永田 見生
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.667-670, 2011-09-25 (Released:2011-12-09)
参考文献数
10

16例のMRSA化膿性脊椎炎について調査を行った.MRSA化膿性脊椎炎の特徴はcompromised hostが多い,先行感染を有する割合が高い,膿瘍合併が多い,麻痺を生じやすい,死亡率が高いとされている.今回の調査では診断時に31%の症例が重症敗血症を合併しており,それらの症例は外科的治療困難で死亡に至っていた.一方,診断時に重症敗血症合併のない症例では再発率,麻痺発生率は高いものの,死亡に至った症例はなかった.従来の報告通り,診断時に重症敗血症を合併している症例では治療に限界があったが,重症敗血症合併のない症例では比較的良好な成績であり,全身麻酔困難例での経皮的病巣掻爬ドレナージの有効な症例を認めた.保存的治療に抵抗性があれば,全身状態をみて早期に低侵襲治療を検討すべきと考えられた.