著者
吉松 弘喜 海江田 康光 吉田 健治 神保 幸太郎 田中 憲治 坂井 健介 後藤 琢也 瀧 健治 山下 寿 佐藤 公昭 永田 見生
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.667-670, 2011-09-25 (Released:2011-12-09)
参考文献数
10

16例のMRSA化膿性脊椎炎について調査を行った.MRSA化膿性脊椎炎の特徴はcompromised hostが多い,先行感染を有する割合が高い,膿瘍合併が多い,麻痺を生じやすい,死亡率が高いとされている.今回の調査では診断時に31%の症例が重症敗血症を合併しており,それらの症例は外科的治療困難で死亡に至っていた.一方,診断時に重症敗血症合併のない症例では再発率,麻痺発生率は高いものの,死亡に至った症例はなかった.従来の報告通り,診断時に重症敗血症を合併している症例では治療に限界があったが,重症敗血症合併のない症例では比較的良好な成績であり,全身麻酔困難例での経皮的病巣掻爬ドレナージの有効な症例を認めた.保存的治療に抵抗性があれば,全身状態をみて早期に低侵襲治療を検討すべきと考えられた.
著者
佐藤 公昭 永田 見生 芝 啓一郎 小西 宏昭 前田 健
出版者
日本腰痛学会
雑誌
日本腰痛学会雑誌 (ISSN:13459074)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.139-144, 2009 (Released:2009-12-19)
参考文献数
5

腰部脊柱管狭窄診断サポートツールの妥当性を検証し,九州・沖縄版簡易問診票の有用性と問題点について検討した.まず,手術で確定診断が得られた280例(腰部脊柱管狭窄症138例,腰椎椎間板ヘルニア142例)に本サポートツールを用いた調査を実施した.結果は感度92.0%,特異度63.4%であり,ABIの項目は足背動脈の触診で代用可能であった.次いで,50歳以上の腰・下肢症状を有す外来患者201例(腰部脊柱管狭窄症116例,他疾患85例)に,本サポートツールと簡易問診票の双方の調査を実施した.簡易問診票の項目とこれに対応する本サポートツールの項目との合計点には高い一致性を認めた(κ係数0.77).本サポートツールの感度は97.4%,特異度は53.6%であった.一方,簡易問診票の感度は95.7%,特異度は31.8%であり,他の疾患を腰部脊柱管狭窄症とする可能性が高くなることが今後の検討課題である.