著者
神原 誠之 横矢 直和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.555, pp.7-12, 2003-01-10
被引用文献数
10

計算機によって管理されたコンピュータグラフィクス(CG)を用いて提示される仮想物体を現実環境に合成し,ユーザに提示する拡張現実感が注目されている.違和感のない拡張現実環境を構築するためには,現実環境と仮想環境との間におけるいくつかの整合性問題を解決する必要があるが,その中でも幾何学的整合性と光学的整合性の解決は重要な課題となっている.しかし,現在までに拡張現実感において2つ問題を同時に解決するものは無い.本稿では,現実環境と仮想環境の位置合わせを行なうための正方マーカと,現実環境のおおまかな照明環境を推定するための鏡面球を組み合わせた3次元マーカを利用して,拡張現実感における幾何学・光学的整合性の双方の解決を試みる.また,ステレオビデオシースルーHMDを用いた拡張現実感のプロトタイプシステムを作成し実験を行なった.