著者
神垣 良昭 南 眞一
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.71, no.9, pp.1138-1142, 2002-09-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
11

最近,急激な市場の立ち上げを見せているICカードは,CPU,RAM,ROMのほかに,電気的にデータの書き換えが可能な不揮発性メモリーEEPROMを搭載している.MONOS型のEEPROMメモリーセルは高信頼性,高生産性に加えて,標準の半導体製造プロセスとの整合性がよい. ロジツク混載半導体チップへの適用が比較的容易なことから,MONOS型はシステム・オン・チップ(SOC)における有望な不揮発性メモリーといえる.シリコン窒化膜内の捕獲中心に電荷を蓄える構造のMONOS型は,従来,トンネル方式プログラムを採用しているが,局所的なメモリー現象を利用するホットキャリア方式が現れ,高集積・高速を実現している.MONOS型不揮発性メモリーの開発経緯,応用,今後の展開を述べる.