著者
神宝 貴子 國方 弘子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, pp.5_71-5_78, 2008

デイケア・作業所に通所中の統合失調症患者が,自己の生き方に対してどうおりあいをつけているのかそのプロセスを明らかにすることを目的に,統合失調症患者12名を研究参加者に,自己の生き方についての思いをインタビューし,質的帰納的に分析した。その結果,≪気が楽になる≫≪今におりあいをつける≫≪過去に向き合う≫≪未来を見つめる≫【自分はこれでいい】の5つのカテゴリーが抽出され,【自分はこれでいい】が中核カテゴリーであった。ある出来事を契機にあるいは時間をかけながら≪気が楽になる≫ことで,≪今におりあいをつける≫ことが出来,さらに≪過去に向き合う≫ことが出来,病状の変化により【自分はこれでいい】という気持ちが揺らぎながらも【自分はこれでいい】と生き方に対して納得していく。しかし,将来への不安は大きく,今に近い≪未来を見つめる≫ことをしながら一日一日を納得しながら生きていた。
著者
神宝 貴子 國方 弘子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, pp.5_71-5_78, 2008-12-01 (Released:2016-03-05)
参考文献数
18

デイケア・作業所に通所中の統合失調症患者が,自己の生き方に対してどうおりあいをつけているのかそのプロセスを明らかにすることを目的に,統合失調症患者12名を研究参加者に,自己の生き方についての思いをインタビューし,質的帰納的に分析した。その結果,≪気が楽になる≫≪今におりあいをつける≫≪過去に向き合う≫≪未来を見つめる≫【自分はこれでいい】の5つのカテゴリーが抽出され,【自分はこれでいい】が中核カテゴリーであった。ある出来事を契機にあるいは時間をかけながら≪気が楽になる≫ことで,≪今におりあいをつける≫ことが出来,さらに≪過去に向き合う≫ことが出来,病状の変化により【自分はこれでいい】という気持ちが揺らぎながらも【自分はこれでいい】と生き方に対して納得していく。しかし,将来への不安は大きく,今に近い≪未来を見つめる≫ことをしながら一日一日を納得しながら生きていた。
著者
國方 弘子 茅原 路代 大森 和子 神宝 貴子 岡田 ゆみ
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.1_37-1_44, 2006-04-01 (Released:2016-03-31)
参考文献数
21

地域生活をしながら精神科デイケアまたは作業所に通所している統合失調症患者の生活への思いとその影響要因を明らかにすることを目的として,グラウンデッド・セオリー法による質的帰納的研究を行った。結果,《充実感がある》,《病気が安定している》,《自分をこれでいいと思える(自尊心)》,『折り合いをつける』,《自分を受けとめてくれる》,《居場所がある》,《心のよりどころがある》の7個のカテゴリーが抽出された。彼らは《充実感がある》生活を送っていることが見いだされ,『折り合いをつける』ことと《自分をこれでいいと思える(自尊心)》ことは,《充実感がある》生活に至るには必要であり,《病気が安定している》ことは《充実感がある》生活の基盤となっていた。本結果は,在宅生活をする統合失調症患者の生活の質を維持・向上するための看護支援のあり方に寄与できることが示唆された。