著者
菅井 康祐 神崎 和男 山根 繁
出版者
近畿大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

音声学的な知覚・認識能力を適切に判別するテストを作成するための基礎調査として,従来型のリスニングテストがこれらの能力をどの程度予測するのか調査を行った。1つ目のディクテーション・インタヴュー課題では従来型のリスニングテストで同程度の習熟度と判定された学習者間では,ある程度の傾向は見られるものの異なる特性も見られた。単音節語の語頭の子音のみを入れ替えたミニマルペア識別課題では,正答率についてはそれほど大きな差は見られないものの,反応時間においては学習者間・課題間に大きな差が見られた。これらの結果により従来型のリスニングテストは子音の識別能力を弁別できないことが明らかになった。