著者
神立 誠 斎藤 洋子
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.42, no.8, pp.479-484, 1968 (Released:2008-11-21)
参考文献数
17

筋肉の核酸定量において,Schneider法とSchmidt- Thannhauser法とを比較検討した.筋肉の核酸定量にはSchneider法も使用できるが,適当な抽出条件の範囲が狭いので,Schmidt-Thannhauser法を使用する方が望しい.その操作は次のとおりである.均質化した筋肉を冷0.2 NHC1O4で3回抽出して酸溶性物質を除去し,脱脂せずに0.5 N KOH,3~4時間または 1.0 NKOH,1~2時間37°CでRNAを酸溶牲化し,氷冷してからHC104な加えて0.2 N濃度としてDNA区分を沈澱させる.その上澄液についてRNAをオルシン法で定量する.RNA抽出残漬は0.75~1.0 NHC1O4に懸濁し,70°Cで20分間DNAを抽出し,DNAをインドール法で定量する.
著者
西沢 直行 高野 靖 神立 誠
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.25, no.5, pp.294-298, 1976-05-10 (Released:2009-06-30)
参考文献数
26
被引用文献数
1 3

イオン交換クロマトグラフィーによる筋肉中のカルノシン,アンセリン,バレニンの分離,分析精度の向上,分析の迅速化を試み,よい結果を得た.分析は,56×0.25cmのカラムに強酸性陽イオン交換樹脂Aminex A-5を50cmの高さに充てんし,エタノールを2.5%含んだクエン酸緩衝液(pH4.15,ナトリウム濃度0.38M)で,カラム温度57℃,緩衝液の流量5.4ml/hで行った.本方法により,アミノ酸,エタノールアミン,クレアチニンの存在下で,カルノシン,アンセリン,バレニンが迅速に精度よく定量できる.分析所要時間はカルノシンまでで5時間40分で,分析精度は(100±1.2)%であった.本方法による筋肉の1回の分析必要量は0.02gである.マッコウクジラ,スジイルカ,ヒキガエル,ホタテガイの筋肉にバレニンの存在が認められた.