著者
中西 航 福冨 義章 布施 孝志
出版者
一般社団法人 交通工学研究会
雑誌
交通工学論文集 (ISSN:21872929)
巻号頁・発行日
vol.3, no.4, pp.A_1-A_6, 2017-04-01 (Released:2017-04-01)
参考文献数
14

歩行空間の性能評価において歩行者流の密度-速度関係を考える場合、この関係がミクロスケールで地点依存しうる課題がある。しかし、現状の測定手法では地点依存を考慮した適切な測定箇所の設定は容易でない。これに対し、密度-速度関係の空間内での分布をも詳細に把握できれば、より精緻な設備配置や流動制御への展開が期待できる。本研究では、歩行者流の密度-速度関係に空間相関構造を組み込み、空間全域の測定データをひとつの回帰式でモデル化する方法を示す。空間フィルタリング手法である Harmonic Spatial Filtering により定式化し、横断歩道での実データに対し密度-速度関係と空間内の相関構造とを推定した。空間相関を考慮しない場合と比べて回帰精度の向上を示すとともに、推定された空間相関構造を解釈した。