- 著者
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堀之内 達郎
副島 和彦
神田 実喜男
吉村 誠
福島 一雄
阪本 桂造
藤巻 悦夫
- 出版者
- 昭和大学学士会
- 雑誌
- 昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
- 巻号頁・発行日
- vol.53, no.1, pp.111-115, 1993
血管腫は, 良性腫瘍としては比較的多い腫瘍であるが, 筋肉内血管腫は比較的まれな腫瘍で, 臨床的に特徴的な所見に乏しく病変が深部にあることが多いため, 診断が困難である.今回我々は, 大腿中間広筋内にびまん性に発生した筋肉内血管腫を経験した.症例は, 28歳, 男性, 左大腿部腫瘤と疼痛を主訴に来院.左大腿部に8×6cmの弾性硬, 境界不鮮明で圧痛のある腫瘤を触知した.CT, MRIで同部に境界不明瞭な腫瘍陰影を認めた.血管造影では, 静脈相で不整な集積像を認めた.手術所見は, 中間広筋内に1~2cmの腫瘍を数個認め, 内容は暗赤色を呈しており, 一部正常組織を含めて一塊として摘出した.病理組織所見では, 筋肉内血管腫の混合型で主に海綿型を呈し, 一部に毛細管型を伴っていた.