著者
福島 祐里 水田 美咲 高村 仁知
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成25年度(一社)日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.182, 2013 (Released:2013-08-23)

【目的】熱帯に位置するインドネシアは日差しが強く、ここで生育する植物は紫外線による酸化を防ぐため、強い抗酸化性を有しているとされる。インドネシア産メリンジョ(Gnetum gnemon L.)は高い機能性を有し、現地ではメリンジョチップス(ウンピン)などとして食用とされているが、口内に残る特徴的な苦みが国外における普及を妨げている。本研究ではメリンジョの有効利用を目指し、メリンジョ粉末を用いた菓子の開発を試みた。【方法】メリンジョ粉末を用いた焼き菓子としてパウンドケーキ、揚げ菓子としてドーナツ、生菓子としてプリンの3種を作成した。メリンジョ粉末量はそれぞれ0~20%とした。官能評価により嗜好性を評価するとともに、機能性成分であるgnetin C含量をHPLCにて定量し、抗酸化活性をOxygen Radical Absorbance Capacity (ORAC) 法で評価した。【結果】生菓子であるプリンでは、gnetin Cおよび抗酸化活性が保持されていたのに対し、焼き菓子であるパウンドケーキではプリンの約1/2に、揚げ菓子であるドーナツでは約1/4に減少した。しかし、プリンでは苦味が強く感じられたのに対し、パウンドケーキやドーナツでは苦味が減少した。また、弱い苦味を有する方が嗜好的には好まれる傾向にあった。