著者
廣安知之 福島亜梨花 山本詩子 横内久猛
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.18, pp.1-6, 2014-02-24

2 つの異なる fNIRS 装置の脳血流時系列データから類似部分を抽出するアルゴリズム "Multipleanalogy Parts extracting algorithm (MaPea)" を提案する.MaPea では,完全一致部分だけではなく微小な差異を考慮した類似部分も抽出する.また,サンプル数の異なる類似部分を抽出することも可能にしている.脳血流時系列データが様々な要因に影響されていると報告されており,実際のデータは脳血流の活性化モデルと異なることが考えられるからである.また,時間軸上で時間差を持った類似部分の組み合わせも抽出できる.MaPea では,異なる時系列データ毎にベクトル化を行い,それらのコサイン類似度により評価する.2 つのデータセットから類似部分を動的計画法の概念を使い抽出する.MaPea の有効性を fNIRS 時系列データを使った実験により検証した.実際の fNIRS 時系列データを用いて脳機能の検定を t 検定を用いた解析手法と MaPea を用いた解析手法で行い,結果を比較した.MaPea による解析手法のほうが神経血管カップリングの理論にそって脳活動を探索できていた.以上より,MaPea が脳血流時系列データに対して有用であることが示唆された.