著者
山下 和範 福崎 誠 寺尾 嘉彰
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.25, no.7, pp.693-695, 2005 (Released:2005-11-29)
参考文献数
2
被引用文献数
1

症例は47歳, 男性. 頸椎神経根性疼痛の治療目的で星状神経節ブロック (stellate ganglion block ; SGB) を行った. 患者にSGBに関する説明を行い承諾を得た後, 血液凝固能検査で異常のないことを確認した. SGB施行1時間後までは問題なく経過し帰宅したが, その後に呼吸困難を訴えたため緊急入院となった. 頸部血腫の診断のもと, 緊急止血・血腫除去術が施行された. その後の経過は良好であったが, SGBによる一連の経過に対してクレームが発生した. 1年半にわたる話し合いの末, 示談となった.
著者
三浦 耕資 福崎 誠 谷瀬 智美 一ノ宮 大雅 東島 潮 寺尾 嘉彰
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.491-494, 2009-09-25 (Released:2011-09-01)
参考文献数
10

カルバマゼピンとメキシレチンの服用中に起こった薬剤性過敏症症候群の1症例を報告する.56歳の男性で,帯状疱疹痛でカルバマゼピンの服用開始12日目に,メキシレチンを併用した.カルバマゼピンを服用開始20日目(メキシレチン服用開始9日目)に右大腿部に紅斑丘疹型の皮疹が出現し,体温が38°C台に上昇した.カルバマゼピンの服薬を中止したが,皮疹は全身に拡大した.メキシレチンはカルバマゼピンを中止して,さらに2日間服用した後に中止した.カルバマゼピン服用開始27日目には,頸部リンパ節が腫脹し,白血球が11,170/mm3と上昇し,異形リンパ球がみられ,ASTが105 U/L,ALTが280 U/Lと上昇した.ベタメタゾン1 mg/日の内服によりいったん解熱したが,皮疹はさらに進展したので,メチルプレドニゾロン1 g/日を3日間投与した.39°C台に上昇していた体温は速やかに低下し,皮疹は徐々に消退した.全身性の皮疹,発熱,リンパ節腫脹,白血球増多,トランスアミナーゼの上昇の所見からカルバマゼピンあるいはメキシレチンによる薬剤性過敏症症候群が最も考えられた.