著者
福森 史郎 辻 泰弘
出版者
日本DDS学会
雑誌
Drug Delivery System (ISSN:09135006)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.18-25, 2018-01-25 (Released:2018-04-25)
参考文献数
27

抗菌薬の多くは注射薬により投与されている。しかし、注射薬は速やかに効果が出現する半面、急激な血中濃度の上昇により副作用が出たり、痛みを伴ったりするため、患者にとって最適の投与形態ではない。したがって、注射による投薬を経口に変更することによって、患者の負担を軽減することができる。内服DDS製剤の技術には、プロドラッグ化および分解酵素阻害剤の併用による薬物吸収改善技術と、徐放化システムおよび放出制御システムを用いた薬物放出制御技術が重要な項目となる。本稿では、バカンピシリンやアジスロマイシンなど感染症領域において実際に使用されている内服DDS製剤の特徴および現況について概説する。