著者
荻野 隆史 福江 靖 岸 大次郎 小平 明弘 山田 拓郎 萩原 周一 大嶋 清宏 飯野 佑一
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.365-368, 2013-11-01 (Released:2013-12-11)
参考文献数
3

症例は37歳, 男性. 主訴は意識障害. 既往歴は双極性うつ病で精神科通院中であった. 家族との会話中に突然興奮状態となりベンゾジアゼピン系薬剤を大量服薬したため当院に救急搬送された. 内服した薬剤は, ロヒプノール (1) 60錠, レンドルミン (0.25) 30錠, デパス (0.5) 14錠, レスリン (25) 14錠であった. 来院時所見ではバイタル等は問題なかったが, 入院後経過は服薬後11時間30分後に呼吸抑制が出現したため気管挿管を行った. ベンゾジアゼピン薬剤血中濃度遷延した原因は様々な理由が考えられるが, ベンゾジアゼピンは多く使用されている薬剤であり致死率も低いとされているが, 大量服薬後は血中濃度が遷延するため, 人工呼吸器が必要な症例もあり, 数日間は呼吸状態に注意すべきと考えられた.