- 著者
-
福田 康典
- 出版者
- 日本経営診断学会
- 雑誌
- 日本経営診断学会論集 (ISSN:18824544)
- 巻号頁・発行日
- vol.14, pp.21-26, 2014 (Released:2015-06-10)
- 参考文献数
- 14
本研究の目的は,価値共創のモデル化におけるプラクティス概念の適用がどのような貢献を果たすのかという点を明らかにすることである。ここでは,価値共創のモデリングにおける研究課題として,価値共創行為の説明と価値共創の連結構造の説明という二つの課題を取り上げ,プラクティス概念の適用がこうした研究課題の解決にどのように寄与するかを考察している。考察の結果,プラクティス概念を用いることで,顧客の価値共創行為の発生や変容を,従来とは全く違った社会文化的な視点から説明できるようになることが明らかになった。また,プラクティスの束と複合体という概念を利用することで,価値共創の連結構造をつながりの密度ごとに識別できるようになる点が確認された。最後に,こうした考察結果のマーケティング診断に対するインプリケーションについて検討を行った。