著者
秋元 孝文
出版者
甲南大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

科研費の給付を受けている期間中に2回の学会発表と3本の論文という形で、Scott FitzgeraldのThe Great Gatsby, Herman Melvilleの”Bartleby, the Scrivener,”Jack London のThe Assassination Bureau Ltd.についての考察を発表した。これまでにすでに発表してきた6本の論文を加えた計9本の各論をまとめる形で2018年秋に一冊のまとまった単著として出版の予定であり、本研究計画中は当該期間においてのみならず、より長期的なスパンにおいても多大な成果をあげたと言える。
著者
秋元 孝文
出版者
甲南大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

アメリカ的立身出世物語の典型とみなされているHoratio Alger著Ragged Dick (1868)が、テクストの表層では「勤勉・努力・節制」といった内面の美徳を唱導しながらも、本当はむしろ外見を変えることの重要性を唱導してしまっているという点を、当時の偽札とのかかわりで論じた「Ragged Dick's Appearance---読むこと、読まれることと社会的上昇」を日本英文学会の学会誌『英文学研究』に投稿、審査を通過し第84巻に掲載された。本研究の19世紀部分の柱となる各論が一本完成した。8月に渡米。シカゴNewberry Libraryで、Autograph Counterfeit Detectorなどのアメリカの貴重な歴史的資料を収集。イリノイ大学シャンペーン校の図書館で、執筆中の論文「J.S.G. Boggsについて」のためのリサーチおよび論文の執筆、および引き続き、今後の各論の対象となるWonderful Wizard of OzやWilliam Gaddis作品に関する論文を収集。帰国後、収集した資料をもとに「J.S.G. Boggsについて…紙幣と文学の比較研究のために」を執筆、甲南大学文学部紀要に投稿。本論は当研究の序章となる予定である。引き続き、次の各論としてPaul Auster著Brooklyn Follies (2006)について、9.11以降のリアリティの変容を「Deception Dollar」というJoke Noteとのかかわりから論じる考察を開始、平成20年度に脱稿して、いずれかの学会誌に投稿の予定。以上のように2本の論文という形で成果を残し、また今後引き続く研究のための資料も集めることができ、着実な進展を実感している。
著者
秋元 孝文
出版者
甲南大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

アメリカ小説における想像力と、その同時代の紙幣制度の間にはなにかしらパラレルな関係が見いだせるのではないかという仮定のもとに、Paul Auster, Mark Twain, Frank Baum, Herman Melvilleという4人の作家の作品を取り上げて考察を行った。Auster作品では9.11以後の陰謀論的想像力との共鳴が、Twain作品ではサインと主体の分離の問題にバイメタリズムとの関連が見られ、そしてBaum作品ではエメラルド・シティの「緑」に紙幣の「グリーン」、そして同時代の紙幣のデザインに紙幣的なレトリックが見られることを証明した。MelvilleのBartlebyについてはその複製への抵抗をfantasy noteと呼ばれる偽札との関連で論じた。