著者
秋吉 卓 淵田 邦彦
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.245-252, 1998-05-01 (Released:2010-06-15)
参考文献数
13
被引用文献数
2

直下型地震は、阪神・淡路大震災 (1995年) でその威力は十分に証明されたが、一方でその発生は極めてまれで、明治以降ではわずかに熊本地震 (1889年) があるくらいである。熊本地震は、その2年後に発生した濃尾地震のため忘れられた地震となったが、エネルギー的には中規模であったものの浅発性であったため、大地震なみの地震学的・社会学的特徴を持っていて、都市直下型地震を総合的に研究する格好の題材である。これより本論は、主として当時の新聞記者の克明な震災日記より本地震について掘り起こし、その全体像を紹介することによって、今後の地方都市の地震防災のための資料を提供しようとするものである。
著者
宮崎 雅徳 尻無濱 昭三 秋吉 卓
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
地震工学研究発表会講演論文集 (ISSN:18848435)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.53-56, 1999 (Released:2010-06-04)
参考文献数
6
被引用文献数
1

1996年に改訂された気象庁震度 (計測震度) と物理量の関係について科学技術庁防災科学研究所の強震ネット (K-NET) の強震記録を用いて検討する。対象とする地震は1996年10月から1998年12月までに九州および周辺地域で観測された159地震、3167記録 (マグニチュードM: 3.2~6.6、震度I:0.0~5.9) を、物理量としては最大加速度および最大速度を用いた。物理量をマグニチュード別に分類して回帰分析を行うことで、中小規模の地震まで適応可能な新たな計測震度と最大加速度および最大速度の関係式を提案した。