著者
小野 清美 飴野 清 原 量宏 奥田 博之 秋山 正史 柳原 敏広
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

成育医療は妊娠中から出産後まで、母親から胎児、新生児、小児、キャリーオーバー、思春期、成人に至る一連のサイクルに係わる疾患に関する医療であり、これらを一括し連続で診ていく医療である。この成育医療の中では専門家の壁はなく対象者のニーズに応じた医療となってきている。しかし、周産期医療のレベルではわが国でも極めて高くなっているが、母親と子どもをとりまく環境はこの20年の月日の中で、技術の革新、情報化に伴い大きく変わってきた。女性の高学歴化、自立、家事労働の合理化、ライフスタイルの変化、相対的な労働人口の減少などにより、働く女性の増加に伴って、多様性のある女性の健康と人権(リプロダクティブ・ヘルス/ライツ)やりプロダクションサイクルの問題にも対応する必要性が生じ、総合的な施策が言われるようになってきた。こうした成育医療の観点から妊娠と車の問題は、乳幼児の事故防止や救急医療体制などからチャイルドシート(以下CRS : child restraint system)は大きな社会問題となり、ついに2000年(平成12)4月1日から着用の義務化となった。そこで、本研究は法制化の前年の状況・法制化された年・その後の状況(平成11年から13年まで)までのCRSを取り巻く状況を考察し、緊急時および母子保健の視点で"母子保健システムの支援体制"の私案を発表し助産婦の取るべきマネージメントの重要性を導いた。具体的な展開の一例として母親学級にアプローチし、「命」と「心」に向けた模擬授業の実践を本学助産婦コースの学生に実施し、バーチャルリアリティの授業の開発をした。