著者
吉野 和樹 久保野 敦史 田中 克史 秋山 隆一
出版者
一般社団法人 日本液晶学会
雑誌
日本液晶学会討論会講演予稿集 2001年 日本液晶学会討論会 (ISSN:18803490)
巻号頁・発行日
pp.301-302, 2001-09-24 (Released:2017-01-10)

The visco-clastic properties for binary mixtures of 6OCB/8OCB are investigated by a light scattering technique with an application of voltages. The mixtures exhibit a reentrant nematic phase between the smectic and crystal phases in the range of 22.0 to 29.5 wt% of 6OCB content. The viscosity and the elastic constant increase with cooling both in the nematic and reentrant nematic phases. It is also found that the viscosity and the elastic constant show an anomalous increase near the phase transition temperature, namely a pretransitional phenomenon. The activation energies for viscosity differ in the nematic and reentrant nematic phases, depending on the 6OCB content. Moreover, the visco-elastic behavior depends on the specific time during which the sample is kept in the smectic A phase. These results confirm that the formation of dimers plays an important role in the reentrant phenomenon of this system.
著者
出原 千寛 石原 みさ子 北嶋 宏美 木村 友哉 秋山 隆一 四方 實彦
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.38 Suppl. No.2 (第46回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.CdPF2036, 2011 (Released:2011-05-26)

【目的】 頸椎除圧術後に、新たに第5頸髄節領域を中心とした麻痺が5~30%の確率で生じる(以下C5麻痺)ことがある。C5麻痺について多数の研究報告があるが、発生機序や病態、効果的な治療方法などはまだ明らかにされていない。また、C5麻痺の発生から回復までの経過を追った報告は少ない。C5麻痺患者に対して適切な治療の選択や患者教育を行うために、麻痺の回復過程の理解は必須である。 我々は第21回京都府理学療法士学会においてC5麻痺患者の麻痺の回復が良好であった例と遅延した例を比較し、遅延例の特徴を回復遅延項目と定義し報告した。今回我々はC5麻痺患者の回復過程を詳細に示し、回復遅延項目を活用した予後予測が可能であるか検討した。【方法】 2009年1月から2010年9月までに当院にて頸椎除圧術を施行した208例のうち、15例が術後にC5麻痺症状を呈した(発生率7.2%)。そのうち第5頚髄節の支配筋の麻痺を呈した13例(男性10名、女性3名、年齢:67.9±7.3)を対象とした。 算定上限日数(150日)内にMMT3以上に至らない例を予後不良と定義した。回復遅延項目は、(1)頸椎後縦靱帯骨化症もしくは歩行障害(頸椎機能判定基準の下肢の項目が1.5点以下)を有している(2)術前の肩・肘関節のMMTが3以下(3)術前の自覚症状発生から手術までの期間が1年以上(4)C5麻痺が術後翌日に発生している(5)麻痺発生時の麻痺筋のMMTが1もしくは0とした。 対象者の麻痺発生から最終評価までの期間(平均116.0±5.0週)の三角筋前部のMMT、端座位での肩屈曲の自動関節可動域(以下、A-ROM)のデータを、カルテから後方視的に調査した。本研究は倫理審査委員会で了承された(2010-1)。【説明と同意】 頸椎除圧術の対象者に対して、術前に研究・学会発表等におけるデータの活用を書面にて説明し了承を得た。【結果】 C5麻痺患者のうち算定上限日数以上もしくはMMT3以上に至るまで経過を追えた症例は、13例中7例であった。7例中5例が予後良好、2例が予後不良であった。予後良好であった5例のうち4例は、回復遅延項目に該当せず3ヶ月以内にMMT4以上に回復した。残りの1例は2項目に該当し、麻痺発生から5ヵ月後にMMT3に至った。予後不良であった2例は3~4項目に該当し、算定上限日数を超過してもMMT3以上に至らなかった。 回復遅延項目数が2項目だった1例のA-ROMは、回復遅延項目に当てはまらなかった4例と比較して、麻痺発生時から算定上限日数まで緩やかな回復過程であった。予後不良であった2例のA-ROMは、麻痺発生時から最終評価時までほぼプラトーであった。【考察】 回復遅延項目数が少ないほどMMT3以上に回復するまでの期間が短く、項目数が多い症例ほど経過が長くなる傾向であった。 A-ROMの結果からC5麻痺の回復過程は以下の3つに分類できる。1~3ヶ月で回復が見込まれる群(以下、グループA)、回復するまでに長期間を要する群(以下、グループB)、回復の見込みが少ない群(以下、グループC)である。また、これらのグループの回復遅延項目数は、グループAが0個、グループBが2個、グループCが3~4個であり、回復遅延項目数を活用することでC5麻痺患者の予後予測が可能であることがわかった。 細野らはC5麻痺の予後は良好で数ヶ月で自然回復すると報告している。しかし、実際には経過が長くなる患者や予後不良な例を経験することがある。グループAに対しては、麻痺の回復に応じて筋力増強訓練や動作練習など機能的な訓練を積極的に行っていく必要があるが、グループBやグループCに対しては、理学療法を行う際に代償運動や筋の過用・廃用に注意を払う必要がある。そのため、麻痺筋に対して正しい運動方向での収縮を学習させたり、麻痺筋以外の筋群の二次的な筋力低下を防ぐ治療や関節可動域訓練を行ったりするなど二次障害を予防する治療が中心となってくる。 このようにC5麻痺発生直後にグループに分類し予後予測をすることで、患者の経過に合わせた適切な治療の選択が可能となり、患者に対するC5麻痺の説明や患者教育をより詳細に行うことができる。【理学療法学研究としての意義】 C5麻痺患者の回復過程を詳細に示した報告はなく、臨床において予後予測が困難であった。C5麻痺患者の回復過程を示し、回復過程を3つの群に分類することができた。回復遅延項目数によってC5麻痺患者の麻痺発生時点での予後予測が可能となった。これらは、理学療法を行う際のプログラムの立案やゴール設定の際の指標となる。さらに患者へのC5麻痺の情報提供がより的確に行える。