著者
桑野 和民 永井 恵美子 秋田 昌子 津久井 亜紀夫 三田村 敏男
出版者
東京家政学院大学
雑誌
東京家政学院大学紀要 (ISSN:02866277)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.121-126, 1980-05-01

当研究室で各種分析に用いている高速液体クロマトグラフィーを利用して,アミノ酸自動分析計を組立てることを目的として実験を行ない,以下の様な結果が得られた。1.分析条件, i カラム ; (a)ステンレスカラム,4φ×250m。(b)樹脂,三菱化成製,陽イオン交換樹脂,ダイヤイオンC K10U。 ii カラム温度 ; 60℃。 iii 溶離液 ; B-1(10%エタノールを含む0.2N-クエン酸ナトリウム緩衝液, pH3.2). B-2(0.2N-同緩衝液,pH4.3). B-3 (1.2N-同緩衝液, pH4.9)。iv 再生液 ; R. (0.2N-NaOH), v 流速, 0.5m〓/min, vi 離溶液切換時間 ; B-1→B-2=16分, B-2→B-3=28分,B-3→R=54分。vii 分析時間 ; 64分。 viii アミノ酸の検出 ; ο-フタルアルデヒドを用いたけい光検出。2.定量性は,各アミノ酸2.5nMolについて10回のくり返し分析の結果,±3.3%以内であった。また,定量範囲は,けい光検出器のレンジX1〜X32で,5×10^<-8>〜5×10^<-11>Molであった。最少検出感度は,3×10^<-12>Mol(アスパラギン酸,S/N=3以上)であった。3.オキアミのアミノ酸組成を分析した結果,文献値とよく一致していた。以上のことから,組立てたアミノ酸自動分析計は,実用上十分使用できることがわかった。