著者
千葉 剛 種村 菜奈枝 西島 千陽
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.27-33, 2022-02-25 (Released:2022-03-10)
参考文献数
21
被引用文献数
3

資格を活用している薬剤師481名,管理栄養士299名を対象に健康食品と医薬品との併用に関する相談実態および相互作用に関する情報源についてインターネット調査を行った.その結果,患者に対して健康食品の利用を必ず確認すると回答したものは薬剤師で29.7%,管理栄養士で14.0%であった.また,患者から医薬品と健康食品の併用について相談されたことのあるものは薬剤師で80%以上,管理栄養士で約40%であった.医薬品と健康食品の相互作用に関する情報源としては,メーカーのウェブサイトが最も多かったが,相互作用の情報について十分に得られていないという回答が最も多かった.「健康食品」の安全性・有効性情報(通称HFNet)の認知度は薬剤師,管理栄養士ともに30%にとどまっていたものの,認知しているものにおいてはその8割が情報源として活用していたことから,HFNetの認知度を上げていく必要があると考えられた.
著者
千葉 剛 種村 菜奈枝 西島 千陽 梅垣 敬三
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.20-26, 2022-02-25 (Released:2022-03-10)
参考文献数
13
被引用文献数
2

健康被害が多発したことをうけ,食品衛生法が一部改正され,プエラリア・ミリフィカは「指定成分等」として管理されることとなったが,現在も多くのプエラリア・ミリフィカ含有食品が出回っている.そこで,消費者を対象に「指定成分等」の認知度および「指定成分等」含有食品の利用実態についてインターネット調査を行った.その結果,「指定成分等」の認知度は45.9%であった.「指定成分等」という言葉の印象は,効果がありそう32.7%,身体に良さそう18.9%といい印象を持つ者が多かった.しかしながら,「指定成分等」の説明文を読ませたところ,概ねいい印象が減少し,注意すべき成分である印象が増えていた.また,プエラリア・ミリフィカ含有食品の利用率は4.3%であり,その内,利用が原因と思われる体調不良を経験した者は41.3%であった.本調査において,消費者は指定成分等を正しく認知しているとは言えないことが明らかとなったことから,「指定成分等」に関する情報を提供し,正しく認識してもらう必要があると考えられた.