著者
佐藤 陽子 休石 千晶 千葉 剛 梅垣 敬三
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.268-274, 2017-12-25 (Released:2017-12-28)
参考文献数
19
被引用文献数
2

ビタミンB6はレボドパと相互作用を起こすとされているが,その具体的な摂取量は明確になっていない.そこで,レボドパとビタミンB6の相互作用に関する論文の系統的レビューにより,レボドパの薬効に影響を与える可能性が強いビタミンB6摂取量について検討した.論文は2017年8月に2つのデータベースにて検索し,11報を採択した.その結果,ビタミンB6摂取量が50mg/日以上でレボドパの薬効が減弱する可能性が高くなると考えられた.したがって,ビタミンB6欠乏がなく,かつ,レボドパとの相互作用が回避できるビタミンB6摂取量は日本人の食事摂取基準における推奨量と上限量の範囲と同等と推定された.以上より,ビタミンB6は通常食品からの摂取では特に留意する必要はなく,多量に摂取できるサプリメントや市販薬の利用に注意すべきことが示された.
著者
佐藤 陽子 村田 美由貴 千葉 剛 梅垣 敬三
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.157-165, 2015-08-25 (Released:2015-09-03)
参考文献数
29
被引用文献数
2 5

ワルファリンはビタミンKと相互作用を起こすことから,その服用者にはビタミンK摂取制限が指導されるが,制限を過度に意識すると摂取不足やQOLの低下を招く.そこで,ワルファリン服用者が許容可能なビタミンK摂取量の幅を検討するため,ワルファリンとビタミンKの相互作用による有害事象論文の系統的レビューを行った.論文は2014年10月に2つのデータベースにて検索し,採択した16報より摂取の上限量を,6報より下限量を検討した.その結果,ワルファリン服用者におけるビタミンK摂取量は,25~325 μg/日の範囲で,日ごとの変動幅は292 μg未満に収め,150 μg/日の摂取を目指すことが適切と考えられた.この結果から,日本人の主なビタミンK供給源のうち,禁止すべき通常の食品は納豆であり,緑黄色野菜は摂取量の調節をしながら摂取できることが示された.
著者
梅垣 敬三 尾関 彩 西島 千陽 佐藤 陽子 千葉 剛
出版者
公益社団法人 日本ビタミン学会
雑誌
ビタミン (ISSN:0006386X)
巻号頁・発行日
vol.91, no.12, pp.696-701, 2017 (Released:2018-12-31)
被引用文献数
1

There is concern about the occurrence of adverse events related to the use of supplements containing vitamins and minerals, but the actual condition is not understood well. Therefore, we examined the characteristics of adverse events due to the use of supplements containing vitamins and minerals by extracting the adverse events from the database in “Information system on safety and effectiveness for health food(HFNET)”, which collects health food reports both inside and outside the country. Eighty-five adverse cases (domestic 24, foreign 61) were extracted from the HFNET by July 2016. The data revealed that the causal factors of adverse events due to the use of supplements containing vitamins and minerals were their overdose, their use as the medicine, their concomitant use with other medicines, and their use by infants and sick people. Although many cases were due to the use of vitamin D supplement, most of the cases were related with its overdose found in overseas. To ensure the safety of supplements containing vitamins and minerals, it would be necessary to pay attention to their use by vulnerable individuals including infants and sick people, their overdose, and their use in combination with other medicines.
著者
小島 彩子 佐藤 陽子 西島 千陽 梅垣 敬三 千葉 剛
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.139, no.10, pp.1333-1347, 2019-10-01 (Released:2019-10-01)
参考文献数
116
被引用文献数
1

Cancer patients use health foods (HFs) as complementary and alternative medicine, although the details of their adverse events (AEs) are unclear. We searched three databases [PubMed, “Igaku Chuo Zasshi”, and Information System on Safety and Effectiveness for Health Foods website (https://hfnet.nibiohn.go.jp/)] for case reports on AEs related to HF intake in cancer patients published before October 2018. Of the matched reports, 76 studies and 92 patients (31 in Japan, 61 overseas) that met the selection criteria were included in this review. Thus, the severity of AEs and outcomes were not related to either the concomitant use of HF with cancer chemotherapy or cancer stages of patients. AEs caused by HF intake itself accounted for 87%, while drug-HF interaction accounted for 11%. According to the Common Terminology Criteria for Adverse Events (CTCAE) classification, 70% of patients whose grades were identified had severe cases (grades 3 to 5). In Japanese patients, hepatic and respiratory disorders accounted for 52% of the severe cases. Cases were predominantly developed as a result of an allergic mechanism, and mushroom products were mostly used. Overseas, serious cases were induced by products that were already indicated for safety problems. Moreover, notable AEs were recognized, such as hypercalcemia, which were caused by intake of HF containing calcium, vitamin D, and shark cartilage, and bacterial infection caused by probiotic products. Analyzing the details of AEs related to HF intake can help health professionals and cancer patients prevent health hazards.
著者
佐藤 陽子 中西 朋子 千葉 剛 梅垣 敬三
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.61, no.7, pp.321-332, 2014 (Released:2014-08-08)
参考文献数
25
被引用文献数
2

目的 葉酸には天然型と合成型(folic acid)がある。胎児の神経管閉鎖障害(NTD)リスク低減に対する葉酸摂取の意義は明確で,妊娠可能な女性には利用効率の良い folic acid 摂取が推奨されているが,我が国の NTD 発症率に減少傾向はみられない。本研究は,妊婦における葉酸の摂取時期や摂取量に関する認識と folic acid 摂取行動に影響を与える要因を全国規模で明らかにし,現状の問題点を把握することを目的とした。方法 2012年 1 月に,インターネットを用いた質問調査を実施した。調査会社の登録モニターである20~40代の妊婦2,367人を対象とし,1,236人から回答を得た。調査項目は,属性,葉酸および胎児の NTD に対する認識と行動,サプリメント利用状況とした。妊娠 3 か月までの folic acid 摂取行動と他項目との関連を,クロス表における χ2 検定にて,また,属性との関連については,非摂取群を基準としたロジスティック回帰分析にて検討した。結果 85.2%の妊婦が妊娠中に意識的に葉酸を摂取しており,その多くは妊娠 1 か月以降から,錠剤・カプセルなどのサプリメントから folic acid として摂取を開始していた。妊娠 3 か月までの folic acid 摂取行動は,葉酸に関する認識,サプリメント利用経験と関連が認められ,さらに,若年,第 2 子以降の妊娠であることが負の影響を示した。結論 多くの妊婦が妊娠中に folic acid をサプリメントから摂取していたものの,その開始時期は NTD リスク低減のためには遅すぎることが示された。今後の NTD 予防のための folic acid 摂取の対策として,経産婦も対象に含めた正確な情報提供の他,folic acid を添加した加工食品の利用の推奨,食材への folic acid 添加の推進など,新たな対策に向けた検討が必要である。
著者
横谷 馨倫 中西 朋子 千葉 剛 佐藤 陽子 梅垣 敬三
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.183-187, 2014-08-25 (Released:2014-09-11)
参考文献数
13
被引用文献数
3 4

グルコサミン(G)とコンドロイチン硫酸(CS)がワルファリンの抗凝固能に与える影響を肝CYP系に着目してマウスのin vivo実験系で検討した.GとCSは飼料中に0.3%および1% (w/w)で添加し,マウスに2週間摂餌させ,最後の2日間ワルファリンを投与した.GとCSの一日摂取量は,0.3%群では443 mg/kgと464 mg/kg,1%群では1,523 mg/kgと1,546 mg/kgであった.その結果,GとCSはいずれもワルファリンの抗凝固能を増強せず,肝CYP系にも影響しなかった.以上の結果から,GとCSは,それら自身では肝CYP誘導を介したワルファリンの抗凝固能の増強は起こさないことが示唆された.
著者
佐藤 陽子 小林 悦子 千葉 剛 梅垣 敬三
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.77, no.5, pp.113-122, 2019-10-01 (Released:2019-11-01)
参考文献数
26

【目的】サプリメントの不適切な利用や健康被害が懸念されている。そこで,若年女性にサプリメントに関する正しい知識を普及するため,実態調査結果を踏まえた啓発リーフレットを作成し,その有用性を検討する。【方法】2015年10月~11月に女子大学・短期大学生230名を対象にサプリメントに対するイメージ,サプリメント利用状況,性格特性,食物摂取頻度について調査した。サプリメントに対するイメージをクラスタ分析にて分類し,得られたクラスタと有意な関連が認められた項目を主として用い,サプリメントに対するイメージを推測するYes/Noチャートを作成後,Yes/Noチャートを活用した啓発リーフレットを開発した。さらに2017年11月に女子短期大学生190名を対象に,啓発リーフレットのユーザビリティ調査を実施した。【結果】サプリメントに対するイメージは3つのクラスタに分類でき,作成したYes/Noチャートにて,この分類のおおよその推測が可能であった。また,啓発リーフレットによる情報提供は,女子短期大学生のサプリメントについての基本事項の認識を変化させることができた。【結論】本研究にて開発したリーフレットは,対象の女性に興味を持って見てもらえ,認識の変化にも寄与できたことから,サプリメントに対する正しい知識の普及に活用できる可能性が示唆された。
著者
小林 悦子 佐藤 陽子 梅垣 敬三 千葉 剛
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.93-98, 2018-04-25 (Released:2018-04-25)
参考文献数
11
被引用文献数
3 8

海外の健康食品をインターネットで購入できる状況において,健康被害を未然に防止するには,国内だけでなく海外の被害情報を把握することが重要である.「健康食品」の安全性・有効性情報サイトでは,国内外の行政機関から発信された健康食品の注意喚起情報を収集・掲載している.今回,2010から2016年に収集した2,124件の注意喚起情報の特徴を分析した.製品の特徴として,医薬品成分混入が85%を占め,性機能改善および痩身を標榜した製品が68%を占めた.多くは買上調査や自主回収情報であったが,健康被害事例も181件含まれ,痩身および疾病治療を目的とした利用で被害が多く見られた.日本国内では,10~30代女性,痩身目的の利用,インターネットでの購入という特徴が認められた.これらの特徴を,健康被害の未然防止のための適切な情報提供に役立てる.
著者
千葉 剛 種村 菜奈枝 西島 千陽
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.27-33, 2022-02-25 (Released:2022-03-10)
参考文献数
21
被引用文献数
3

資格を活用している薬剤師481名,管理栄養士299名を対象に健康食品と医薬品との併用に関する相談実態および相互作用に関する情報源についてインターネット調査を行った.その結果,患者に対して健康食品の利用を必ず確認すると回答したものは薬剤師で29.7%,管理栄養士で14.0%であった.また,患者から医薬品と健康食品の併用について相談されたことのあるものは薬剤師で80%以上,管理栄養士で約40%であった.医薬品と健康食品の相互作用に関する情報源としては,メーカーのウェブサイトが最も多かったが,相互作用の情報について十分に得られていないという回答が最も多かった.「健康食品」の安全性・有効性情報(通称HFNet)の認知度は薬剤師,管理栄養士ともに30%にとどまっていたものの,認知しているものにおいてはその8割が情報源として活用していたことから,HFNetの認知度を上げていく必要があると考えられた.
著者
西島 千陽 千葉 剛 梅垣 敬三
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.169-176, 2022-10-25 (Released:2022-11-03)
参考文献数
20
被引用文献数
1

サプリメント利用による臨床検査値悪化の頻度を調べるため,全国オンライン調査を実施し,特に肝機能指標に着目して解析した.過去1年以内のサプリメント利用者73,010名の中で,臨床検査値の悪化者は0.5%,肝機能指標の悪化者は0.2%と推定された.臨床検査値の悪化は軽微なものが多いと推定され,その経験者のほとんどがその情報をどこにも報告していなかった.サプリメント利用による下痢や皮膚症状と比較すると,臨床検査値の悪化者は,男性の比率が高く,毎日の利用と長期間の利用が多く,利用製品が特定できない者の割合が高いという特徴があった.肝機能指標の悪化者は多くはなく,大部分が軽微と推定されるが,その影響を利用者自身では判断しにくいことから,利用製品名と利用状況を記録するという対応が重要である.
著者
廣瀬 恒平 田中 大雄 千葉 剛 嶋崎 達也 鷲谷 浩輔 千坂 大二朗
出版者
The Japan Journal of Coaching Studies
雑誌
コーチング学研究 (ISSN:21851646)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.189-202, 2019-03-20 (Released:2019-09-02)
参考文献数
16

The purpose of this study was to clarify effective tactics of attack on the sport of rugby sevens using notational analysis of game performance on the menʼs rugby sevens at Olympic games 2016. The main results of this study were as follows; 1) The rate of attack to the open-side and reverse-direction are higher. 2) To breakthrough the defence-line is more difficult than the gain-line. 3) In the number of passes before contact, the rate of breakthrough the defence-line unused pass were the lowest and the rate of unused pass in the Top6 teams was lower than the bottom6 teams and therefore the attack option using pass is effective. 4) In the attack options, the rate of breakthrough the defence-line under the overlap situation is the highest and therefore the attack option to carry the ball at vacant space is effective. 5) In the starting points in attack, the rate of breakthrough the defence-line in attack from turn-over and therefore turn-over is one of the effective starting points.
著者
竹林 純 高坂 典子 鈴木 一平 中阪 聡亮 平林 尚之 石見 佳子 梅垣 敬三 千葉 剛 渡辺 卓穂
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.63-71, 2020-04-25 (Released:2020-04-27)
参考文献数
9
被引用文献数
1

本研究では,2017および2018年に実施した食品の栄養成分検査の技能試験について報告する.2017および2018年調査では,それぞれ65および73機関の参加が得られ,参加機関の70%以上は栄養成分表示に関する収去試験を担当しうる公的機関であった.調査試料の食品形態は畜肉ソーセージであり,調査項目はタンパク質,脂質,灰分,水分,炭水化物,熱量,ナトリウム,食塩相当量,カルシウム(2018年のみ),鉄(2018年のみ)であった.義務表示項目である熱量,タンパク質,脂質,炭水化物,食塩相当量の1つ以上について報告結果が不適正と考えられた機関は,2017年調査では全機関の11%および公的機関の9%であり,2018年調査では全機関の15%および公的機関の13%であった.機関間の報告値のばらつきを示す指標であるRSDrは,タンパク質=2%,脂質=3%,灰分=2%,水分=0.5%,炭水化物=9%,熱量=1%,ナトリウム(食塩相当量)=4%,カルシウム=7%,鉄=7%程度であった.特に,炭水化物のRSDrが大きく,炭水化物の表示値が数g/100 g以下の食品の収去試験においては,無視できない機関間差が生じる可能性を考慮する必要がある.
著者
鈴木 一平 熊井 康人 多田 敦子 佐藤 恭子 梅垣 敬三 千葉 剛 竹林 純
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.53-57, 2020-04-25 (Released:2020-04-27)
参考文献数
7
被引用文献数
1

加工食品にはビタミンDとして食品添加物のエルゴカルシフェロール(D2)およびコレカルシフェロール(D3)が使用されており,加工食品中の含有量把握のため検証された分析法が必要とされる.本研究ではD2とD3を分離定量する方法として,栄養成分分析に用いられる日本食品標準成分表2015年版〈七訂〉分析マニュアルのビタミンD分析法(マニュアル法)の加工食品中のビタミンD分析への適用性について検討を行った.検討の結果,マニュアル法にいくつかの課題が認められたため,マニュアル法に改良を加えて加工食品への適用性を検討した.野菜ジュース,豆乳,コーンフレークを用いた添加回収実験の結果,改良マニュアル法は推定方法定量下限(EMLOQ)相当量での回収率(相対標準偏差)がD2で103~112%(4.7~12.6%),D3で102~109%(2.4~21.8%),EMLOQの10倍量添加ではD2で100~110%(4.0~7.4%),D3では102~105%(3.8~4.8%)であった.この結果から,改良マニュアル法は加工食品中のD2,D3分析に適用可能な真度および精度を有すると推察された.
著者
小島 彩子 佐藤 陽子 千葉 剛 梅垣 敬三
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.80-88, 2018-04-25 (Released:2018-04-25)
参考文献数
41

病者が健康食品を摂取している状況から,健康食品と医薬品の併用による有害事象の発生が懸念されている.そこで過去の有害事象を症状の重篤度と医薬品の薬効の視点で分析し,注目すべき事項を検討した.事例は,『健康食品』の安全性・有効性情報(HFNet)の収載論文64報,その中の患者71名を対象とした.その結果,症状としては肝障害,医薬品としては抗てんかん剤,抗悪性腫瘍剤,不整脈用剤,血液凝固阻止剤等のハイリスク薬が,健康食品と医薬品の相互作用において注目すべき事項であることが明らかとなった.また,論文中の健康食品の素材・成分に関する情報が曖昧で不十分な点が,相互作用の影響を検討する際の障害となることが示唆された.
著者
石川 日出志 七海 雅人 中野 泰 佐藤 信 平川 新 平川 南 千田 嘉博 川島 秀一 浅野 久枝 竹井 英文 八木 光則 安達 訓仁 宇部 則保 菅野 智則 斉藤 慶吏 佐藤 剛 菅原 弘樹 高橋 憲太郎 千葉 剛史 福井 淳一 室野 秀文 小谷 竜介 辻本 侑生 藤野 哲寛
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

気仙地域は、海・陸域の複合生態系が豊富な資源を生み出し、縄文時代から現代までそれらを活用した人類営為が展開した。本研究は、当地域の歴史文化を歴史・考古・民俗学の手法で研究し、地域の方々と行政に提供する。これは甚大な東日本大震災被害から復興する当地域の方々を支援する取組でもある。調査は多岐に亙る。考古学では、古代・中世の漁撈関係遺物・集落遺跡データの集成、被災地域石碑の所在調査、中世塚・板碑群調査、中世城館群の縄張図作成等。歴史学では、中世遺跡群と文献史料との比較、熊谷家近世文書群の調査、大島正隆論文の公開等。民俗学では横田・小友地区で民俗慣行の調査と実施。3か年市民向け報告会を開催した。
著者
千葉 剛 佐藤 陽子 小林 悦子 梅垣 敬三
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.96-106, 2017-04-25 (Released:2017-05-09)
参考文献数
9
被引用文献数
10

平成27年4月に事業者の責任により機能性表示ができる機能性表示食品制度が施行された.施行後1年が経過した時点における機能性表示食品の認知度および利用実態について消費者2,060名,医師515名,薬剤師515名を対象にアンケート調査を行った.機能性表示食品を認知している人は消費者81%,医師93%,薬剤師98%であった.しかしながら,その特徴を正しく理解していた人は消費者16%,医師23%,薬剤師44%であった.機能性表示食品を利用したことのある消費者は12%であり,治療目的に利用,通院中,医薬品を併用している人がいたが,医師・薬剤師へ相談している人は僅かであった.一方,医師・薬剤師において,患者から機能性表示食品の利用について相談を受けたのは約8%であり,利用が原因と思われる健康被害の相談を受けたのは約2%であった.
著者
小林 悦子 佐藤 陽子 梅垣 敬三 千葉 剛
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.107-112, 2017-04-25 (Released:2017-05-09)
参考文献数
12
被引用文献数
5

高齢者においては健康食品の利用率が高く,利用による被害を避けるためにも適切な情報提供が重要である.近年,情報提供手段としてインターネットが活用されているが,高齢者に対する健康食品の情報提供手段としてインターネットが適切であるか検討した.インターネット調査では,健康食品の情報源,入手経路のいずれにおいてもインターネットの利用率が高かった.一方,紙媒体調査では情報源,入手経路のいずれにおいてもインターネットの利用率は低く,テレビ,新聞,雑誌などメディアに加え専門職や友人などの情報の利用が高く,知人などを介して入手している人も多かった.これらの結果より,普段インターネットを利用していない高齢者に対しては,専門職などとのコミュニケーションを介した情報提供が必要であると考えられた.