著者
稲垣 応顕 Inagaki Masaaki
出版者
新潟中央短期大学
雑誌
暁星論叢 (ISSN:03871673)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.25-41, 1996-12

部活動集団内でいじめの対象となり,登校拒否傾向を示した女子中学生に対して,筆者が開発を進めている感情表出トレーニソグを継続して適用した。適用に際しては,従来のトレーニングに"介入"の概念を新たに導入し,また,"今週の3大目標"の設定とそれに対する自己評価を手続きに加えた。12回に渡るトレーニング継続の結果,本事例に歪められた感情の表出および自己省察の深化を経て,感情のポジティブ化と外向化が示唆された。ただし,今後の課題として,いじめを行う生徒にも他者受容を促す支援策を検討する必要があることやトレーニングの集団適用ヘ向けた検討を行う必要のあることなどが指摘された。