著者
稲垣 杏太 小野田 慶一 山口 修平
出版者
日本生理心理学会
雑誌
生理心理学と精神生理学 (ISSN:02892405)
巻号頁・発行日
pp.1716oa, (Released:2019-08-27)
参考文献数
43

小脳が運動機能に関連することは広く知られているが,近年の研究は非運動機能にも小脳が関与することを実証してきた.小脳の寄与は運動の場合,無意識的な処理にまで及ぶが,非運動機能の無意識的処理に小脳が関わるかは明らかではない.そこで本研究では,閾下呈示された感情表情に対する処理において小脳が関与するかどうか,機能的MRIを用いた実験によって検証した.右小脳皮質の第Ⅵ小葉は,閾上呈示された怒り表情画像に対して顕著な活動を示したが,閾下呈示された表情画像に対しては特異的な活動を示さなかった.本研究の結果にもとづけば,小脳は無意識的な情動処理に寄与しないことが示唆される.
著者
内田 芙美佳 木村 愛子 堀江 貴文 元廣 惇 稲垣 杏太 鈴木 哲
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.32, no.6, pp.905-909, 2017 (Released:2017-12-20)
参考文献数
16
被引用文献数
1

〔目的〕経験の浅い理学療法士のキャリア発達を促す支援策としての基礎資料を得ることを目的に,キャリア・アダプタビリティの現状を調査し,かつキャリア・アダプタビリティとメンターとの関係性について検討した.〔対象と方法〕対象は,経験年数が1年から5年までの理学療法士149名とした.質問紙にて,基本属性,キャリア・アダプタビリティ尺度,メンターの有無を調査した.〔結果〕メンターを持つものは,持たないものと比べ,キャリア・アダプタビリティの関心因子,コントロール因子,自信因子の得点が有意に高かった.〔結語〕理学療法士のキャリア発達にメンターが関与する可能性が示唆された.