著者
稲村 征之 森下 知晃 Milusi Ibrahim MILUSI Ibrahim
出版者
一般社団法人日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集 (ISSN:13486543)
巻号頁・発行日
vol.2011, 2011-09-05

アルバニアには南北に伸びるオフィオライトが分布しているが、その火山岩の地球化学的特徴は東西で異なり,東側は島弧的火山岩類,西側は中央海嶺的火山岩類特徴を示す(Dilek et al., 2008).本研究では西側北部に位置するゴムシケ、プーカ岩体を研究対象としている。プーカ岩体は主に斜長石を含む変形を受けたかんらん岩とガブロ脈が分布している一方,ゴムシケ岩体は輝岩脈,ガブロ脈,数十cm~10m程度の脈状のダナイトを伴うレールゾライトが分布している.ゴムシケ岩体のレールゾライトの鉱物化学組成は中央海嶺かんらん岩と似ており,部分溶融度が低いことを示している.ゴムシケ岩体にはスピネルのCr#[=Cr/(Cr+Al)原子比]に大きな違いがある二種類のダナイトが存在する.一つはCr#が0.3程度,もう一つは0.7程度である.前者は中央海嶺で採取されたダナイト,後者は前弧域ダナイトの化学的特徴と類似している(Arai, 1994).このことからゴムシケ岩体は中央海嶺的セッティングで形成された後に,島弧的セッティングに移行する際の影響を受けている可能性がある.