著者
稲永 清敏 森本 泰宏 瀬田 祐司 大住 伴子 鯨 吉夫 粟野 秀慈
出版者
九州歯科学会
雑誌
九州齒科學會雜誌 : Kyushu-Shika-Gakkai-zasshi (ISSN:03686833)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.224-230, 2009-02-25

平成19年度に行った九州歯科大学研究室配属のアンケート調査および平成18年度・19年度の研究室配属資料を基に解析を行った.88%の学生が第一希望に配属され,第2希望までに97%の学生が配属された.各分野の学生受け入れ体制に対しては72%がよく計画されていたと回答した.80%の学生は教員の研究室配属に対して熱意があったと感じており,98%の学生が多少なりとも興味を持って研究を行ったと回答した.研究テーマに興味をもてたかという設問と教官の熱意を感じたかという設問との間には強い相関が認められた.さらに研究テーマに興味を持ったことと文献などを積極的に調べたかとの設問の間にも強い相関が認められた.このように,学生は教員の教育意欲に対して敏感に反応しており,それによって研究テーマに一層興味を示し,文献検索などを自ら進んで行うことがわかった.逆に教員が熱意を示さない場合には,学生は研究に興味を示さないことが考えられた.また,基礎系の研究室にだけに配属が限られていた基礎配属から,九州歯科大学の全研究室に配属が可能となった研究室配属にカリキュラムが変更になって,学生が臨床系の研究室に偏って配属されるのではないかと懸念されたが,大きな偏りは認められなかった.
著者
稲永 清敏 小野 堅太郎 人見 涼露
出版者
九州歯科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

二日酔いでの喉の渇きは、「エタノール利尿による」という通説がある。このことに疑問を持ち、ラットを用いて実験を行った。ヒトで泥酔するほどのエタノールの投与で喉の渇き行動は誘発されたが、利尿ではなく、むしろ抗利尿が観察された。私たちは、二日酔いでの喉の渇きは、エタノールの分解産物であるアセトアルデヒドが口渇中枢(喉の渇きをコントロールする脳部位)に直接作用するか、あるいは、アセトアルデヒドが降圧作用を起こし、レニン‐アンギオテンシン系を活性化することによる間接的な口渇中枢ニューロンの活性化によって起こることを明らかにした。