著者
原田 岳 坂口 孝宣 稲葉 圭介 中村 利夫 倉地 清隆 深澤 貴子 中村 光一 沢柳 智樹 原 竜平 井田 勝也 今野 弘之
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.107, no.3, pp.432-441, 2010 (Released:2010-03-05)
参考文献数
30
被引用文献数
1

症例は70歳男性.肝門部とドーム下に肝腫瘍を指摘され受診された.門脈腫瘍塞栓をともなうStage IVの肝細胞癌と診断し,近医経過観察の方針となった.その後は症状の増悪なく経過し,初診から28カ月後の画像診断で腫瘍は著明に縮小していた.退縮に関わる因子として,門脈腫瘍塞栓による腫瘍血流の減少と,イミダプリル,補中益気湯の抗腫瘍効果が考えられた.肝細胞癌の自然退縮症例はまれであり,文献的考察を含め報告する.
著者
川田 三四郎 神藤 修 落合 秀人 飯野 一郎太 宇野 彰晋 深澤 貴子 稲葉 圭介 松本 圭五 鈴木 昌八
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.35, no.5, pp.619-622, 2015-07-31 (Released:2015-10-31)
参考文献数
8
被引用文献数
2

今回われわれはPress Through Package(以下,PTP)誤飲による消化管穿孔の2症例を経験した。【症例1】87歳女性。心窩部痛を主訴に受診。腹部CTで十二指腸にPTPと思われる高吸収構造と遊離ガス像を認めた。PTP誤飲による十二指腸穿孔を疑い,上部消化管内視鏡検査で,十二指腸水平脚にPTPを確認,摘出しクリップで閉鎖したが治癒に至らず,第48病日に十二指腸・空腸部分切除術を施行した。【症例2】60歳女性。上腹部痛で発症し,CTで遊離ガス像を認め消化管穿孔の診断で当院に搬送された。当院で再検したCTでも異物を指摘できず,穿孔部の同定も困難であった。緊急手術で,Treitz靱帯から240cmの回腸に穿孔部を認めPTPの一部が露出していた。【考察】消化管穿孔の原因としてPTPの誤飲も念頭におく必要がある。PTPは材質によりCTで描出されない場合があることを考慮し,画像診断すべきである。
著者
原田 岳 坂口 孝宣 稲葉 圭介 中村 利夫 倉地 清隆 深澤 貴子 中村 光一 沢柳 智樹 原 竜平 井田 勝也 今野 弘之
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病學會雜誌 = The Japanese journal of gastro-enterology (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.107, no.3, pp.432-441, 2010-03-05
参考文献数
30
被引用文献数
1

症例は70歳男性.肝門部とドーム下に肝腫瘍を指摘され受診された.門脈腫瘍塞栓をともなうStage IVの肝細胞癌と診断し,近医経過観察の方針となった.その後は症状の増悪なく経過し,初診から28カ月後の画像診断で腫瘍は著明に縮小していた.退縮に関わる因子として,門脈腫瘍塞栓による腫瘍血流の減少と,イミダプリル,補中益気湯の抗腫瘍効果が考えられた.肝細胞癌の自然退縮症例はまれであり,文献的考察を含め報告する.<br>