著者
川田 三四郎 神藤 修 落合 秀人 飯野 一郎太 宇野 彰晋 深澤 貴子 稲葉 圭介 松本 圭五 鈴木 昌八
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.35, no.5, pp.619-622, 2015-07-31 (Released:2015-10-31)
参考文献数
8
被引用文献数
2

今回われわれはPress Through Package(以下,PTP)誤飲による消化管穿孔の2症例を経験した。【症例1】87歳女性。心窩部痛を主訴に受診。腹部CTで十二指腸にPTPと思われる高吸収構造と遊離ガス像を認めた。PTP誤飲による十二指腸穿孔を疑い,上部消化管内視鏡検査で,十二指腸水平脚にPTPを確認,摘出しクリップで閉鎖したが治癒に至らず,第48病日に十二指腸・空腸部分切除術を施行した。【症例2】60歳女性。上腹部痛で発症し,CTで遊離ガス像を認め消化管穿孔の診断で当院に搬送された。当院で再検したCTでも異物を指摘できず,穿孔部の同定も困難であった。緊急手術で,Treitz靱帯から240cmの回腸に穿孔部を認めPTPの一部が露出していた。【考察】消化管穿孔の原因としてPTPの誤飲も念頭におく必要がある。PTPは材質によりCTで描出されない場合があることを考慮し,画像診断すべきである。
著者
平出 貴乗 米山 文彦 落合 秀人 中澤 秀雄 林 英司 北村 宏
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.399-404, 2008 (Released:2008-08-05)
参考文献数
16
被引用文献数
4

2000年12月から2006年9月までに魚骨による消化管穿孔を8例経験したので臨床的検討を加え報告する.年齢は59歳から89歳で男性7例,女性1例.穿孔部位は回腸4例,横行結腸2例,S状結腸2例であり,全症例に対して手術を行なった.慢性炎症型4症例のうち穿孔部不明症例が3例存在したが,魚骨の確実な摘出により治癒することが確認された.MDCT導入以前では術前に石灰化も含め病変を指摘できた症例は40%であったが,導入以降は魚骨同定率,術前診断率ともに100%でありその有用性が確認された.魚骨穿孔は,詳細な病歴聴取およびMDCTの施行により術前の確定診断が比較的容易となったが,魚骨遺残により再手術が必要となる症例もあり,急性腹症の鑑別診断として念頭におかなければならない疾患の一つであると考えられた.
著者
龍野 玄樹 鈴木 昌八 落合 秀人 犬塚 和徳 神藤 修 宇野 彰晋 松本 圭五 齋田 康彦 谷岡 書彦 北村 宏
出版者
The Japanese Society of Gastroenterological Surgery
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.44, no.6, pp.699-705, 2011
被引用文献数
1 1

症例は62歳女性で,検診での超音波検査で肝腫瘍を指摘され,当院を受診した.B型・C型肝炎ウィルスマーカーは陰性であり,血清CA19-9値が281.6U/mlに上昇していた.腹部CTで肝左葉の肝内胆管拡張と肝外側区域に境界不明瞭で辺縁が軽度造影される5cm大の腫瘍を認めた.門脈左枝内は腫瘍栓で充満していた.門脈腫瘍栓合併肝内胆管癌あるいは混合型肝癌を考え,5-FUによる肝動注化学療法を先行させた.治療開始後にCA19-9値の低下,肝腫瘍の縮小と門脈腫瘍栓の退縮を認めた.化学療法終了から1か月,後肝拡大左葉切除,肝外胆管切除・胆道再建,リンパ節郭清,門脈再建を施行した.病理組織学的には乳頭状の増殖を示す高分化型腺癌から成る腫瘍であり,門脈腫瘍栓を伴った肝内胆管癌と診断された.術後22か月の現在,再発なく社会復帰している.門脈腫瘍栓合併肝内胆管癌に関する文献的考察を加え報告する.