著者
塩見 尚礼 近藤 雄二 小道 広隆 片野 智子 宮沢 一博 原田 佐智夫 稲葉 征四郎 上田 泰章 今井 俊介
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.57, no.7, pp.1592-1596, 1996-07-25 (Released:2009-02-10)
参考文献数
6

豊胸術後に発生した稀な乳癌の3例を経験した.症例1は43歳の女性.豊胸術後11年目に外傷にてシリコンバッグ破裂.以来乳腺腫瘤の生検を繰り返され, 3年後に乳癌と診断され,左Brp+Ax,広背筋皮弁移植を行った.症例2は56歳の女性,豊胸術後24年目に右腋窩リンパ節腫脹を認め,自潰してきたため当院受診.多発性骨転移を認める進行例であった.術前化学療法を行った後両側Brt-Axを施行した.症例3は66歳の女性.豊胸術後28年目に左乳房緊張感を主訴に受診.腫瘍摘出術にて乳癌と診断されBrt+Axを施行した.豊胸術後の乳癌は本邦では1970年以来37例の論文報告をみるに過ぎず.稀な疾患である.自験例3例を含め,文献的考察を加えて報告した.
著者
能見 伸八郎 田中 承男 井口 公雄 稲葉 征四郎 橋本 勇
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.15, no.12, pp.1376-1380, 1982-12-01
被引用文献数
13

教室で過去19年間に経験した大腸癌は299例みられ, 粘液癌は34例 (11.4%) みられた. この34症例について, 項目に分けて臨床的に検討を加え, 粘液癌を含む大腸癌全症例と比較した. その結果, 粘液癌は若年者に多い傾向がみられ, 占居部位では右結腸に有意に多発していた (p<0.01). また, リンパ管侵襲が多く (p<0.01), 深達度は全例 ss (a_1) 以上であり, 腹膜播腫陽性例が多くみられた (p<0.025). 5年生存率は, 大腸癌 stage II 症例の71.7%に対して, stage II 粘液癌は39.0%と悪かった(p<0.05).