著者
藤原 郁也 能見 伸八郎 内藤 和世 牧野 弘之 戸田 省吾 中路 啓介 大森 吉弘 岡 隆宏 松田 哲朗 赤木 重典
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.53, no.6, pp.1451-1458, 1992-06-25 (Released:2009-03-31)
参考文献数
37
被引用文献数
1 9

最近9年間に著者らが経験したマムシ咬傷58例の治療について検討した.患者はマムシ咬傷後早期に来院する例が多く,初診の段階では軽症と診断されることが多い.しかし重症例では受傷後3日前後に腫脹の増強,眼症状の出現がみられ臨床検査ではCPK, GOT, GPT, AMLがピークとなり,多くは2週間以内に軽快した.初診時に重傷度を判断することは困難であった.治療は抗血清使用にて5例,非使用にて53例を治療したがそれぞれに1例ずつ重症化症例がみられた.重症例でも抗血清を使用せず治癒し,副作用を考慮すると,抗血清は必ずしも必要とはいえず,厳重な経過観察,全身管理こそが重要であると思われた.
著者
能見 伸八郎 田中 承男 井口 公雄 稲葉 征四郎 橋本 勇
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.15, no.12, pp.1376-1380, 1982-12-01
被引用文献数
13

教室で過去19年間に経験した大腸癌は299例みられ, 粘液癌は34例 (11.4%) みられた. この34症例について, 項目に分けて臨床的に検討を加え, 粘液癌を含む大腸癌全症例と比較した. その結果, 粘液癌は若年者に多い傾向がみられ, 占居部位では右結腸に有意に多発していた (p<0.01). また, リンパ管侵襲が多く (p<0.01), 深達度は全例 ss (a_1) 以上であり, 腹膜播腫陽性例が多くみられた (p<0.025). 5年生存率は, 大腸癌 stage II 症例の71.7%に対して, stage II 粘液癌は39.0%と悪かった(p<0.05).