著者
稲葉 敬之 千葉 勇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.574, pp.13-18, 2006-01-20
被引用文献数
2

本論文では送信波としてFMCW波を用いたマルチスタティック測位・測速法を提案する. 提案法では, 従来の時間遅延計測に基づくパルス方式に比べ, 正確な時刻同期を必要とせず, また狭帯域の受信局にて3次元目標位置座標, および従来法では困難であった3次元目標速度成分の推定が可能であることを示す. また, 具体的な数値例(距離50km程度, 飛行目標, 入力S/N=-25dB, に対し送信10GHz, 掃引帯域100MHz, 受信機帯域2MHz程度, 観測時間30msec)により, 特に水平面座標に関しては有効な推定が可能(水平面位置座標, 速度成分の推定誤差がそれぞれ約27m(横方向最大), ±3km/h程度)であることを示す.