著者
稲見 一貴 江本 珠理 藤井 さやか
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.744-751, 2022-10-25 (Released:2022-10-25)
参考文献数
10

1970年代に開発が進められた計画的戸建住宅地では、近年の高齢化やライフスタイルの変化によって、空きスペースの増加やそれに伴う住環境の悪化が見られる。本研究では、計画的戸建住宅地において、住宅地内の空きスペース活用の手段としてのスペースシェアリングの活用可能性を検討することを目的としている。利用者・提供者・周辺住民の立場からみた戸建住宅地のスペースシェアリング導入意向について、インターネットモニターを対象としたウェブアンケート調査を行った。また利用意向の高い駐車場サービスの導入について、事業者へのヒアリング調査を行った。その結果、戸建住宅地のシェアリングサービスでは、提供意向・許容意向ともに、駐車場の利用意向が高かった。全国で駐車場のシェアリングを行っている事業者によると、住民の不安の多くは既存のサービスの中で対応可能なことが分かった。以上から、戸建住宅地では、駐車場を活用したスペースシェアの展開可能性があることが分かった。