著者
稲野 一郎 大波 正寿 鈴木 剛
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.59-66, 2007

直播てんさいの出芽率を確保するために, 播種前工程における鎮圧法を明らかにした。低地土においてはハローパッカによる中層鎮圧に加え, ロータリハロー付属のローラによる鎮圧を施すことで, 深さ10~20cmのコーン指数を1.0MPaに高め, 目標出芽率85%を確保できた。ハローパッカは, ディスクハローに比べ, その作業後のロータリハローのPTO軸所要動力が1.5kW増加する。一方, 多湿黒ボク土でハローパッカを2回施工したところでは, 作土下層部に不透水層ができ出芽率が低下した。低地土における出芽率85%を確保するための土塊径4.75mm以下の割合と深さ10~20cmのコーン指数の組み合わせは, 土塊径4.75mm以下の割合58%で1.0MPa以上, 60%で0.9~1.0MPa, 65%で0.9MPa未満であった。