著者
立石 渉 竹前 彰人 常川 勝彦
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.55, no.6, pp.234-237, 2021-12-15 (Released:2022-01-15)
参考文献数
13

本邦での心臓血管外科領域におけるERASの報告が少ない中, われわれは積極的にERAS管理を行い, 術後早期回復の指標として早期食事開始, 離床, 退院の結果は得られた. しかし, Postoperative fatigueをいかになくすかという観点から見た際に, 現状ではどれくらいのを効果が得られたかの客観的な指標を示すことができていない. またさまざまな介入項目の効果などについての報告はあるものの, 一定の見解が得られていない項目が多い. 現状では以上のようなERASの問題点が存在しており, 今後は解剖し検証していることが必要になってくると考える.
著者
立石 渉 村田 誠 安達 仁
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, pp.275-281, 2018-12-15 (Released:2019-02-01)
参考文献数
24

心臓血管外科領域における運動療法は入院中の早期介入による効果として,術後の早期歩行獲得(運動耐用能改善)・呼吸機能改善(酸素化改善)による自覚症状の改善,回復や退院へ向けての意欲の増進が得られ,退院後の維持期での介入を継続することで,遠隔期における疾病再発や二次予防(冠危険因子の是正や運動耐用能改善),自律神経活性の改善,グラフト開存率の改善,QOLの改善,再入院率の減少および予後の改善などが得られる.よって,適切な手術・投薬・食事指導などに加え,運動療法が心臓血管外科術後において重要な役割を果たすと考える.