- 著者
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竹下 文雄
村井 実
- 出版者
- 熊本大学
- 雑誌
- 若手研究(B)
- 巻号頁・発行日
- 2015-04-01
ハクセンシオマネキのオスにおける複数の求愛シグナルの適応的意義について研究を実施した。メスは時間あたりの求愛音の発音回数が多いオスを好んだ。餌の利用可能性が高いオスではattraction waveの頻度および血漿ラクトース濃度が増加した。近隣オスの妨害行動によりペア形成率は低下した。物理的な障害物によりメスの配偶者選択に要する時間は増加した。オスの甲と大鉗脚における色の変化パターンは異なった。これらの結果より、オスの各シグナルはメスの配偶者選択の基準として用いられる可能性が高いが、その機能は異なり、それぞれの個体が置かれた社会的・物理的環境下で各シグナルの有効性は異なる可能性が示唆された。