著者
大屋 慶知 神野 正航 佐野 治彦 竹中 伊知郎
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.42, no.7, pp.585-589, 2022-11-15 (Released:2022-12-23)
参考文献数
7

COVID-19患者の抜管時に発生するエアロゾル飛散問題は,未解決のままである.そこで,インターサージカル・ブロンコスコピーマスクを用いた抜管時のエアロゾル飛散防止対策法を考案した.本法は,顔に隙間なく密着させたマスクの弁付きホールから気管チューブを抜去し,対策が必要なくなるまでマスク装着状態で観察する方法である.本法には,簡便,エアロゾル飛散スペースが小さいため残留エアロゾルが少ない,抜管後の気道緊急時に遅れなく処置が行える,などの利点がある.しかし,エアロゾル飛散防止効果が未証明,抜管後の気道緊急時においてエアロゾル飛散防止対策下に気管挿管操作を行えないなどの問題に注意しなければならない.
著者
青山 和義 竹中 伊知郎
出版者
メディカル・サイエンス・インターナショナル
巻号頁・発行日
pp.638-643, 2014-07-01

呼吸器手術では多くの場合,一側肺換気one-lung ventilation(OLV)の施行が必要となる。OLVにはダブルルーメンチューブdouble-lumen tube(DLT)の使用が一般的であるが,DLTは,太く,長く,独特の形状をもつため,通常のシングルルーメン気管チューブsingle-lumen tube(SLT)よりも挿管が困難である1~3)。マスク換気困難,気管挿管困難などの気道確保困難症例であれば,DLTの挿入はさらに困難となる。気道確保困難症例におけるOLVの施行は,呼吸器手術の麻酔の大きな問題点の一つである。