著者
杉本 秀樹 雨宮 昭 佐藤 亨 竹之内 篤
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.71-76, 1988-03-05
被引用文献数
7

水田転換畑で栽培したダイズ(タマホマレ)の生育各期における土壌の過湿処理が, 乾物生産と子実収量に及ぼす影響について調査した. 処理は花芽分化期, 開花期および登熟中期にそれぞれ8-10日間, 畦間に5-8cmの深さに水を溜めて行った. 乾物生産と子実収量に及ぼす過湿処理の影響は, 生育時期が早いほど著しかった. 花芽分化期処理では主茎の伸長, 葉面積の拡大, 乾物重の増加が著しく抑制されるとともに, 莢数, 稔実莢歩合が低下することによって減収した. 開花期処理では, 栄養器官の生長抑制は軽減されたが, 莢数が低下することによって減収した. さらに, 登熟中期処理では, 黄葉期と落葉期が早められた結果, 乾物生産が減少して, 粒重の低下という形で減収した.