著者
竹井 史
出版者
愛知教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

幼児期における土遊びは人間形成に大きな意義を持つ。本研究は、土遊びを活性化するための土環境を「ねんど場」と位置付け、考察し、以下の点が明らかになった。①本研究期間でねんど場に使用した土は、河川プラント会社から不要材として排出された粘土質土であるが、当初の予想以上に、感触遊び、粘性や可塑性をもとにした造形的な遊び、造形物を利用した社会性を促進するごっこ遊びに有益な素材であること。②粘土質土は、乾燥状態においても粉砕可能でかつ容易に再利用でき、その粒度分布は、粘土、シルト、細砂成分を中心とした土であり、粘土成分4~14%、シルト成分20~30%、細砂成分30~50%含まれたであること。
著者
竹井 史
出版者
美術科教育学会
雑誌
美術教育学 : 美術科教育学会誌 (ISSN:0917771X)
巻号頁・発行日
no.33, pp.263-274, 2012-03

本研究は,土による幼児期の造形的な遊びを活性化させる土環境を砂成分と粘土成分の混在する「土」に求めた。その「土」は,一定の水分を加えることで粘性,可塑性に富み,乾燥後も子どもの手により比較的容易に粉砕可能なものであり,子どもの土による造形活動をその根底において支える環境である。本研究では,その具体例を河川流域の採石プラントから排出される「利用土」に求め,土の性質を粒度分布分析による工学的手法によって明らかにするとともに,その土環境によって展開される造形活動について記録し,その意義について考察した。