著者
中田 光 竹内 志穂 橋本 淳史
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.277b, 2017 (Released:2017-11-25)

前世紀末,我々は,特発性肺胞蛋白症の血液及び肺に大量のGM-CSF自己抗体が存在することを発見した(J. Exp. Med, 1999).GM-CSFあるいは受容体欠損マウスが同症を発症することから,同抗体が本症の病因であると唱えた(N. Engl. J. Med, 2003).その後,米国で患者自己抗体をサルに投与した疾患モデルができ,仮説が証明された.その後の検討で,本GM-CSF自己抗体は,GM-CSFに対して非常に強い親和性をもつこと,また,エピトープはGM-CSF分子の複数箇所にまたがり,ポリクローナル抗体であることが分かった.この抗体の多様性の起源として,1)複数のgermline alleleをもつnaiive B cellに由来するという考え方と,2)リンパ濾胞における体細胞超変異に由来するという考え方がある.そのどちらが正しいのかを明らかにするため,自己抗体陽性B細胞の軽鎖/重鎖可変部配列を次世代シークエンスと情報処理技術により大規模解析した.これにより,本症の発症機序解明に寄与したい.