著者
竹内 芳親 遠山 柾雄
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
no.22, pp.41-46, 1983 (Released:2011-12-19)
著者
遠山 柾雄 岩崎 正美 木下 収 杉本 勝男 竹内 芳親
出版者
鳥取大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1985

高温乾燥の激しいメキシコ沙漠の海岸砂丘地で、野菜の生産性増大に関する基礎研究を行った。供試野菜は小松菜,廿日大根,ベカナ,チンゲンサイ,レタス,グリーンデビューの6種で、これらの野菜栽培に対して点滴かんがい法,保水剤の利用,かん水頻度とかん水量等による節水技術の確立を行った。また、良質のかんがい水として空中水分を除湿機により採取し、それを育苗床へ利用することを試みた。メキシコ砂漠の地下水のEC1442μs/cmに対し、除湿水は266μs/cmで極めて良質であった。地下水に対する葉重がレタス1.9倍,チンゲンサイ1.6倍となったように、その除湿水は育苗に対して顕著な効果をあげた。また、9種の保水剤を利用した実験においてチンゲンサイの葉重には増収効果が表われたが、その中で最大の効果をあげた保水剤は約60%で、全体的には国内実験に比較して効果があがらなかった。これはかんがい水中の塩分が影響しているためであり、沙漠緑化に対しては耐塩性保水剤の開発が急務であることが示唆された。また、同量のかん水量に対して、かん水頻度の多い方がチンゲンサイの葉重は増加した。