著者
竹本 雅憲
出版者
成蹊大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では、信号交差点左折時において多方向から横断歩道に進入する自転車に対して、自動車運転者の危険予測能力を高めて安全な確認行動を誘導する運転支援システムの開発を目指した。そして、具体的なシステムを設計して支援効果を実験的に検証するとともに、システムの設計要件を示した。特に、運転に合わせて確認行動を誘導する即時支援システムと、運転後の運転診断アドバイスによって次回運転時の確認行動を間接的に誘導する事後支援システムとを併用することで、高い支援効果が得られた。
著者
竹本 雅憲 樋口 和則
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.7-16, 2012-02-15 (Released:2012-07-11)
参考文献数
8
被引用文献数
1

本論文は,駐車車両死角から道路を横断する歩行者との事故防止に向けて,駐車車両側方通過時における不安全運転行動の特徴を解明することを目的とした.規範運転に関する教習所指導員へのヒヤリングに基づき,駐車車両奥側通過時の側方間隔と車速,および駐車車両付近の確認を切り上げるタイミングを評価指標とした.指導員が助手席に同乗して不安全であると診断した一般ドライバの実車運転データを,指導員の運転行動と比較して分析した.その結果,自然な流れで安全に走行できない側方間隔をとる,減速して対応する必要がある側方間隔でも十分に減速しない,死角が見え始める手前で確認を切り上げるという特徴を明らかにした.これらの不安全運転行動は,歩行者の飛び出しを正しく想定していないことや,衝突を安全に回避できる車速や側方間隔を正しく理解していないことに起因すると考えられ,これらの要因が不安全運転行動全体に占める割合について考察した.