- 著者
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坂本 雅昭
中澤 理恵
竹沢 豊
山路 雄彦
- 出版者
- JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
- 雑誌
- 日本理学療法学術大会
- 巻号頁・発行日
- vol.2004, pp.C0321-C0321, 2005
【目的】<BR>我々は,群馬県高等学校体育連盟(高体連)サッカー専門部との協議の上,応急処置および傷害予防を目的とし,平成16年度の群馬県高校総合体育大会(県総体),インターハイ予選(インハイ予選),選手権予選においてメディカルサポートを実施した。本県では,以前より高校野球でメディカルサポートが行われていたが、サッカー競技では今回が初の取り組みとなった。本研究の目的は,群馬県高体盟サッカー競技におけるメディカルサポートの内容を整理し,次年度へ向けての課題を明らかにすることである。<BR>【対象及び方法】<BR>対象は,県総体に出場した56校55試合,インハイ予選に出場した58校57試合,選手権予選に出場した57校72試合とした。メディカルサポートを行うため,群馬県スポーツリハビリテーション研究会を通じ,本県内の理学療法士にボランティア参加を募った。メディカルサポートの内容は,試合前の傷害予防のためのテーピング等のケア,試合中(原則として選手交代後)及び試合後の外傷に対する応急処置・ケアの指導であった。また,次試合への申し送りのため,傷害名,受傷機転,対応に関する申し送り表を作成した。各試合会場には,理学療法士が2名以上常駐するように配置した。<BR>【結果及び考察】<BR>メディカルサポートに参加した理学療法士は県総体延べ38名,インハイ予選延べ42名,選手権予選延べ70名であった。メディカルサポートで対応した選手数は延べ393名(県総体112名,インハイ予選128名,選手権予選153名),対応件数は518件(県総体137件,インハイ予選181件,選手権予選200件)であった。試合前の対応は266件であり,試合中・試合後の対応は262件であった。試合前の主な対応内容はテーピングであり,試合中・試合後の主な対応内容はテーピング,アイシング,ストレッチング,止血処置であった。テーピングは356件,アイシングは156件,ストレッチングは56件,止血処置は5件であり,テーピングが最も多い対応内容であった。テーピングの部位別内訳は,肩関節9件,肘関節2件,前腕6件,手関節7件,手指18件,体幹27件,股関節4件,大腿50件,膝関節48件,下腿29件,足関節147件,足趾9件であり,下肢に対するテーピングが全体の80%を占め,足関節が最も多かった。サッカー選手の傷害に関する過去の報告では,若年者の年代ほど足関節捻挫が多いと報告されており,同様の結果となった。今後の課題として,テーピングを含めた応急処置に関する技術の向上を図る必要性が示唆された。