著者
竹田 誠一
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.55, no.7, pp.284-293, 2006 (Released:2007-06-28)
参考文献数
5
被引用文献数
2

腐食機構の理解は電気化学の理解が前提である. 物体の電位と電極電位の違いを示した後, 海水中のステンレス鋼の腐食挙動を例にとり, アノード反応, カソード反応とそれによる電極電位の変化について述べることにより, 海水腐食を電気化学にどのように理解すべきかを述べた. 海水腐食に関して, アノード反応の促進原因としてのピット内液の酸性化, カソード反応の促進原因としての寸法効果, 流速, 金属塩, 微生物など各腐食因子の電気化学的意味を説明した.