著者
竹田茂生・陳 那森 陳 那森
出版者
関西国際大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:13455311)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.77-90, 2012-03-31

共分散構造分析から,消費の先行指標である創造階層のさらに革新的な集団がツーリズムの志向を「地域密着型ツーリズム」からさらに「研究・自己啓発型ツーリズム」へと進化させているという知見が得られた。このことから,「研究・自己啓発型ツーリズム」は,将来の有力なツーリズムの形式となっていくことが予測される。そこで,「研究・自己啓発型ツーリズム」の進化形として顕在化してきた観光アートに焦点を当て,3つの地域特性によって都市型,郊外型,地方型に類型化し,事例研究を観察とインタビューによって行った。そして,観光アートの成功要因は,次の4点であるとの知見を得た。1)スタート時点での継続を意図したプランづくり2)継続させるための観光資源の持続的な探索 3)ボランタリーな組織から公的な組織への転換 4)住民参加型の展開,などが挙げられる。また,他の地域との連携やビジネスモデルとして商品化などの新たな展開にも発展してきていることが分かった。