著者
笛田 千容
出版者
独立行政法人 日本貿易振興機構アジア経済研究所
雑誌
ラテンアメリカ・レポート (ISSN:09103317)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.31-43, 2020 (Released:2020-07-31)
参考文献数
11

本稿では、2019年6月に誕生したブケレ政権のおよそ1年の成果を振り返る。まず、閣僚等の人選と政府計画の概要から新政権がめざすものを明らかにする。次に、過去の政権や周辺国との比較をふまえながら、重点政策である治安対策と汚職対策に評価を加える。最後に、昨今浮上した大統領と立法府との対立および新型コロナウィルスによる混乱の背景と、大統領によるそれらへの対処の仕方について述べる。
著者
笛田 千容
出版者
独立行政法人 日本貿易振興機構アジア経済研究所
雑誌
ラテンアメリカ・レポート (ISSN:09103317)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.35-47, 2022 (Released:2022-01-31)
参考文献数
13
被引用文献数
1

2019年の大統領選挙での勝利につづき、2021年2月の国会議員選挙で自身の政党が勝利を収めたエルサルバドルのブケレ大統領は、同年5月1日の新国会発足と同時に違憲審査権を行使する最高裁憲法法廷の掌握を図り、政権の意向に沿って憲法解釈を行う機関に変質させた。つづいて最高裁および裁判所システム全体に対する影響力を強めながら、憲法改正の準備に進んでいる。また、それと並行して、検察長官の交代や汚職事件の捜査にかかわる国際的な協力協定の破棄によって検察を掌握し、「反汚職」を旗印に政敵の排除に邁進している。本稿は、これらの経緯を整理し、そこから導出される長期政権化のシナリオを提示する。