- 著者
-
笹川 えり子
小田 浩伸
藤田 継道
- 出版者
- 日本特殊教育学会
- 雑誌
- 特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
- 巻号頁・発行日
- vol.38, no.1, pp.13-22, 2000-06-30
5泊6日の心理リハビリテーション(動作法)キャンプにおいて、母親との相互交渉が成立しにくいダウン症児2名と自閉症児2名に、動作法と母子遊びを行い、動作法場面における指導者との相互交渉の変化と、母子遊びにおける相互交渉の変化との関連を検討した。その結果、援助を能動的に受け入れてやりとりが継続できてきたり、主体的・意図的な動作のコントロールができるようになる等の動作法の進展と並行して、母子遊びにおいてもひとり遊びから連合・協調遊びへと変わってきたり、母親始発型の遊びから子ども始発型の遊びへと変化してきた。こうした動作法におけるやりとりの継続やからだへの積極的な働きかけの活動様式が、母子遊びにおけるやりとりの継続や子どもから他者への積極的な働きかけに反映されてきたものと推察される。動作法における相互交渉が母子相互交渉を促進させる有効な援助法になり得ることが示唆された。